放送したお宅
2011年5月6日(金)放送
東京都世田谷区・藤村邸
- アウトドア感覚の家 -

2010年2月

敷地面積 113平米 (34坪)
建築面積 56平米 (17坪)
延床面積 94平米 (28坪)
木造2階建て
建築費:1700万円 坪単価:60万円



キャンピングトレーラーを置けるよう選ばれた、南北に長い敷地。敢えて道路面に出入り口を設けず、訪れた人をデッキテラスへと導きます。

デッキテラスは玄関、縁側、そして庭でもある多目的空間。キャンピングトレーラーも、ここを介して“母屋”と繋がり、普段は“離れ”として使うことができます。

1階はLDK。3.6×11.0mの細長い空間の中央に床高を35cm下げた“土間”を設け、3エリアに分けています。キャンプ好き家族がアウトドア感覚で過ごせる空間です。

1.8m四方の大きなアイランド・キッチン。その1辺を占めるシンクもキャンプ場の炊事場を思わせる“巨大”さです。調理道具もキャンプ用品を日常的に使用しています。

台所に置かれた工具箱は、引き出しの浅さを生かし食器収納として利用。基礎むき出しの土間は、現在はタイルを敷いています。

土間のみ吹き抜けになっていて最大の天井高は7m以上。ペンダント照明のコレクションが並んでいます。

2階は吹き抜けを挟んで2つの個室スペース。梁も現しのワンルームですが、将来の個室化も考慮されています。メラミン化粧板でカラフルに仕上げた引き戸は水回りへの出入り口。

水回りは南北に抜けのある開放的な空間。風通しも良く、バルコニーに直接出入りできます。2階バルコニーも部屋の延長として使える多目的空間です。

 
建築家のプロフィール
Ar.K一級建築士事務所/南部健太郎&久保緑子
南部健太郎
1995年日本大学卒業。福井英晴建築設計事務所にて勤務。その後、飛騨高山出身の東氏率いる設計施工のAHPにて取締役に就任。木造建築の施工と現場を学ぶ。
2000年Ar.Kを久保と設立。

久保緑子
宮脇壇氏が設立した日本大学の居住空間デザインコース一期生として、中村好文氏や諸角敬氏らに学んだ後、巽秀喜建築設計事務所、studioA勤務。
2000年Ar.Kを南部と設立。

Ar.K一級建築士事務所
所在地 東京都品川区上大崎3-5-4第一田中ビル401
電話 03-3443-6553
FAX 03-3443-6553
E-mail info@ar-k.net
URL www.ar-k.net

建築家の一言
「愛車の古いキャンピングカーのような家を作ってください。」
こんな話をはじめの頃にいただいた記憶があります。
それから、設計をしながらというか最初のうちは一緒にキャンプへ行かせてもらったり
アウトドアで遊んでばかりだったような・・・。
そんな趣味をお持ちなだけに、旦那さんは器用なんですね。なんでもご自分でどうにかしてしまうんです。
奥様や、二人のお嬢様たちも毎週のようにキャンプだったりするので、自由なんです。
この自由なファミリーが自由自在に生活を楽しめる、自由な空間を作ってあげたいなと。
そんな自由な家で、子供たちが育っていってもらえたら嬉しいなと思いました。
具体的には、
普通の住宅のような、~LDKみたいな家ではなく
用途を与えた室をつくってしまうのではなく
条件や環境、設備の違ういくつものスペースを作りました。
あとは、それらのスペースを更に組み合わせていけば更に多くの条件のスペースが生まれてくるはずです。
後は・・・
藤村ファミリーのイマジネーションですね♪
家族の想像力で、この家もともに育てていってもらえたら
10年先、20年先・・・・良い思い出が重なっていくはずです。
渡辺篤史の感想
キャンプが大好きな家族のための家づくり。まずは、脇にキャンピングトレーラーを置く、という所からスタートしたそうです。以前は年間40泊も使っていたトレーラーですが、お子さんたちが成長すると学校行事などが増え、使用頻度が減ってしまいました。ならば、自宅にいながらにしてキャンプ気分を味わってしまおう、という発想です。
ご夫婦共にお子さんを大事にしている感じがひしひしと伝わって来ます。それを感じて、子供たちもここで感性豊かに育っていくことでしょう。