放送したお宅
2010年9月10日(金)放送
千葉県八千代市・中澤邸
- 家の真ん中に“路地” -

2009年5月

敷地面積 162平米 (49坪)
建築面積 66平米 (20坪)
延床面積 121平米 (37坪)
木造2階建て
建築費:2390万円 坪単価:65万円



アプローチの長い旗竿敷地。白い外壁は、表面にザラっとした質感の塗り壁です。玄関ドアを開くと、裏庭まで一直線に貫く“路地”が出現します。

“路地”のような廊下は、床をポーチと同じウリン材、壁を外壁と同じ塗り壁で仕上げ、屋外のような雰囲気。デッドスペースになりがちな裏庭を生かすデザインです。

鮮やかな青色の壁の子供室。塗装には家族も参加しました。まだ、子供たちが小さいので、廊下との間を開放して遊び部屋として使っています。

W.I.C.を挟んで子供室の反対側に位置する寝室。畳敷き、障子付きの地窓のある和室です。廊下を挟んで寝室の向かいにあるのは、紫色の天井・壁が印象的な書斎です。

書斎の天井高は約5m。北側に隣家が迫っているため、高窓から採光します。浴室は裏庭に面した東南角に位置し、明るく風通しの良い空間です。

階段室を中心に回遊動線を持つ2階。構造現しの天井は、片流れの屋根なりの形状。南側に隣家が迫っているため、東西に抜けを作って開放感を演出します。

4m超の食卓一体の台所カウンター。食堂側の床を50cm高くして掘り炬燵になっています。趣味のアジアン雑貨に合わせて、焦げ茶色を主体とした色合いに。

1階同様、2階にも東西2か所のバルコニーを設け、内外空間を繋いで空間の広がりを演出します。色使いの楽しい中澤邸、2階にあるトイレは赤です。

建築家のプロフィール
西久保 毅人
1973年 佐賀県で生まれ、佐賀県で育つ。
1997年 明治大学大学院修士課程修了
象設計集団、アトリエハルに勤務後、
2001年 ニコ設計室を設立。

ニコ設計室
所在地 東京都杉並区上荻 1-16-3森谷ビル5階
電話 03-3220-9337
FAX 同上
E-mail nishikubo@niko-arch.com
URL http://www.niko-arch.com/

建築家の一言
中澤さんの家は、みんな裸足。
だから、足うらのカンカクでものを選ぶ。ここは、外かな、中かな?
足うらに聞いてみる。
壁は手ざわり。意外と、目ざわり。だから、手と、目に聞いてみる。

ツルツル、ざらざら、ひんやり、あたたか。

色は目ざわり。意外と、心ざわり。だから、目と心に聞いてみる。
土は手ざわり 目ざわり 足ざわり 鼻ざわり、、、でもホントは心ざわり?
だから、目をつぶって想像する。

僕も中澤さんも、頭つかうの、すっかり忘れた。
足のうらのカンカクに正直に出来上がった家

渡辺篤史の感想
注文住宅ですから、住まい手の趣味を生かすのは当然ですが、設計家はご夫婦の持ち味を上手に生かして、心地良い空間を作り出しましたね。49坪の敷地ですが、アプローチの長い旗竿形で、建ぺい率などの制限もありますから、建物に使える面積はそう大きくありません。しかし、東西に視線を抜いたり、回遊できる動線を設ける事で、広々とした空間を実現しています。デザインの妙が感じられます。