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2010年6月4日(金)放送 東京都板橋区・豊田邸 - “大樹”の下で暮らす家 - |
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原田真宏+原田麻魚 | ||||||||||||||||||||||||||||||||
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MOUNT FUJI ARCHITECTS STUDIO | ||||||||||||||||||||||||||||||||
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都内北部の穏やかな丘陵地上の住宅地内に計画された、夫婦二人の為の住居。丘の頂部近くの旗竿型の敷地で、地盤は竿から旗へと緩く上っていく。周囲を隣家に囲い込まれ、旗竿地特有の薄暗さや圧迫感もあったが、それよりも少し街から奥まった外部に晒されていない深部といった場の性格が意識された。この様な情況では、余地の少ない水平方向へ向かうより、地勢的にも垂直方向への展開が相応しい。それは森の深部で、他の木々に囲まれた樹木がとる指向性と同様の理由による。 具体的には、51mm厚の LVLからなる門型の「柱ー梁」構造を、11.25°(360°/32flame)の角度を保って回転複製することで建築は構成される。各フレームは各々隣よりも55mm程高いので、一周すると1.7mの高低差が生まれることになる。これは滑らかな HP曲面の屋上テラスへの出入口になるのと同時に、東側に一部だけ開かれた空と、隣家の緑を借景として取り込むハイサイドライトとなっている。 極座標の中心には32本の LVL柱が集中し、直径約 1.1mの大きな大黒柱が形成される。 完成した住居は厳密な幾何学による建築ではあるが、どこか人工物とは言いきれない風情を持つことになった。大黒柱に背をつけてその足元に座り、上を仰ぐと放射状に伸びる梁が枝を広げた大きな樹木のように思えてくる。樹幹の様な大黒柱の周囲には、安心して暮らしていく「住む場所」が広がっている。「住宅」と名付けられた透明な「空間」とは、なにか異なる質がここにはある。 「空間」の中心には社会的な「意味」があるが、「場所」の中心には「存在」がある、という事なのだろう。 |
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円柱を中心に放射状に梁が走る構造。番傘のようにも見えます。オリジナリティ溢れるデザインに感心しますが、それを実現した大工さんも大いに賞賛されるべきですよね。 ユニークな構造の下は、玄関を入ってすぐに土間、そこに台所という、伝統的な日本家屋に見られる田の字プランという意外性も楽しいです。 屋上には、奥さんが大事に育てられている植栽があります。これから時を経て、緑に覆われた様子も見てみたい。そんな気持ちになる建物です。 |
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