放送したお宅
2010年1月29日(金)放送
神奈川県横浜市・岩﨑邸
- デザイナー家具の似合う 内に開くコンクリート住宅 -

2008年5月完成

敷地面積 148平米 (45坪)
建築面積 61平米 (18坪)
延床面積 128平米 (39坪)
RC造+木造
建築費:3900万円 坪単価:100万円



前面に交通量の多い道路、背後にマンションが迫る立地。プライバシーを守るため、コンクリート壁で周囲を囲みました。玄関は居間との間に引き戸を設けています。

1階はLDK。一室空間ですが、居間と食堂・台所をL字形に配し間に螺旋階段を置くことで、緩やかに仕切ります。ご主人の趣味のミッドセンチュリー家具がたくさん!

幅4.5m×高さ5mの大開口と、床・壁の仕上げを統一することで、室内との一体感を高めたテラス。周囲のコンクリート壁がプライバシーを完璧に守ります。

台所は対面式で収納もたっぷり。食堂側から手元が見えないよう、立ち上がりを大きくしています。『鍋を振りたい』のでレンジはガスが選ばれました。

食堂も大きな開口でテラスへと繋がります。このテラスは居間側から繋がっていて、お子さんの散歩の“周回コース”にもなっているそうです。

水回りにもミッドセンチュリー家具をモチーフとした小物を置くこだわりぶり。浴室もテラスへと開いたデザインです。

2階は、客間と書斎(将来の子供室)。こちらもL字形の配置です。客間は吹き抜けを介して居間と繋がっています。書斎はご主人の“趣味の城”といった風情。

2階の主寝室はクローゼットとロフトで収納たっぷり。地階はオーディオ&ビジュアルとバーコーナーのある趣味室です。建物正面にあった3角窓は、地階の明かり採りでした。

建築家のプロフィール
田辺芳生
1958年 青森県生まれ
1982年 東京理科大学理工学部建築学科卒業
1984年 東京都立大学大学院修士課程修了
1984年 日総建
1989年 PRIME設立
1994年~ 東京理科大学建築学科講師
2007年~ 早稲田大学スポーツビジネス研究所客員研究員

受賞
グッドデザイン賞 2006
日本建築学会作品選集2008
日本建築家協会優秀建築選2005・2006
第17回千葉市優秀建築賞
茨城建築文化賞優秀賞
神奈川建築コンクール入賞
インテリアプランニング賞2004 入選
2002 SDレビュー 朝倉賞 
2001 JID(日本インテリアデザイナー協会)賞 部門賞
環境アイディアコンクール入賞

PRIME/プライム建築都市研究所
連絡先   東京都新宿区大久保2-3-8 I.R.M1F
TEL   03-6808-7382
FAX   03-3207-7302
E-mail   prime@blue.ocn.ne.jp
URL   prime-lab.com
 
建築家の一言
RC造の塀で敷地全体を囲い込み、その塀がぐるりと貝のように内部空間までつながっていくプランです。1階のみRC造で2階はその上に木造の箱をのせたような構造になっています。
外構の塀を建物のデザインに取り込む事で、塀、中庭、内部空間、全ての空間が分断せずに緩やかにつながっていきます。変形の敷地に対し、建物をずらすように配置し、家のどこにいても囲まれた中庭が視界に入るように設計しました。
 
渡辺篤史の感想
シャープなデザインのコンクリートの家。それを名作椅子の数々が彩ります。
この建物のポイントはL字形の配置にあると思います。ダイニングとリビングは空間として繋がっているんですが、L字形の配置と螺旋階段によって緩衝されるというか、結界というか、そういった精神的な区切りが付けられます。そして、同様のことが2階でも行われています。家の中で場所場所によって気分が切り替えられるというのは、暮らしていく上で、とても大事なことだと私は考えます。