放送したお宅
2009年12月11日(金)放送
埼玉県川越市・斉藤邸
− ここは内?それとも外? 紫の壁が奇抜な日本家屋 −

2009年1月完成

敷地面積 211平米 (64坪)
建築面積 66平米 (20坪)
延床面積 95平米 (29坪)
木造
建築費:2400万円 坪単価:83万円



近くに土手がある長閑な風景に合うように、白いシンプルな外観。裏に奥さんが手入れをしている庭があります。

玄関と食堂を仕切る収納ボックスは、建築家のオリジナル。傘の形をした穴からレールを引き出すと傘掛けになります。

ワンルームの1階LDK。紫色の壁奥にはそれぞれ、納戸・水回り・書斎が収められ、居間〜台所前は緩やかなスロープになっています。

家の中心にある台所。前に大窓が2つあり、視線が抜けて開放感を演出。キッチンの上に架かるブリッジは梁のように見えますが、換気扇が収まっています。

台所より1段上がった居間。日本家屋の外壁に用いられる下見張りを、内壁に採用。垂木を現しにした天井と相まって、和風の趣です。

南に面した水回り。洗面室は6畳もあります。洗面室の一角は奥さんの書斎のようなスペース。洗面室の中心に、オブジェのような洗面台を設置しました。

掘り下げた造りの浴室。洗面室との仕切りをガラスにして洗面室+浴室で10畳の大空間になります。階段手前にある書斎は、作り付けの机も紫色にしました。

2階は、仕切りがなく1階全体を見渡せるロフトのような寝室のみ。南側の大窓と、トップライトのおかげで、明るい開放的な空間を実現。将来は仕切って子供部屋になる予定です。

建築家のプロフィール
横関和也X仲條雪
横関 和也
ジャムズ主宰
略歴
1970年   神奈川県生まれ
1994年   東海大学工学部建築学科卒業
1997年   勤務期間
1999年   ジャムズ設立

仲條 雪
ジャムズ主宰
略歴
1970年   東京都生まれ
1994年   日本大学理工学部建築学科卒業
1994年   ワークショップ勤務
1995年   木下道郎/ワークショップ勤務
2002年   ジャムズ共同主催
 
川越アトリエ
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E-mail   unj@theia.ocn.ne.jp
     
 
建築家の一言
所在地は埼玉県川越市。すぐ近くに荒川の土手があります。近くの農家の厩舎からは牛の鳴き声も聞こえるようなのどかな環境です。この一体だけは区画整理され6件の真新しい分譲住宅が建っています。30代のご主人の職場はここから徒歩1分。毎日お昼休みは家で昼食にします。ご主人とのお付き合いは長く最初に設計を依頼されてから完成まで4年かかりました。当時はまだ独身でいらして ましてやお子さんは影も形もありませんでしたので、設計中に施主が一人また一人と増えるという経験をさせていただきました。
この作品の名称は「あるフランス人芸術家的趣向」です。元々は「とある日本かぶれのフランス人芸術家が日本の民家に住みついてリノベーションした感じの家」という最初に施主に提案したコンセプトを表したものです。長いことお話を聞かせていただいて、「田舎でくらす」というより「都心で暮らさない」という感覚が強く感じられたので、あえて牧歌的な環境に溶けこませないで自己をアピールするようなデザインとしました。そのとき思い浮かんだのがこのタイトルです。
建物のなかにも意識して多くのアイデアを仕込みました。傘型の穴からスライドして出てくる傘たてや、部屋の中央に立つ洗面台、ブリッジのようなレンジフードなどがそれで、一癖あるという印象を作ってみました。 都心に依存することなく自分の個性を発信する。徐々にそういった人たちが、特に若い層で増えてきているような気がします。
 
渡辺篤史の感想
田園に若い夫婦が家を建てました。でも近所に6軒家があり寂しくありません。お子さんと、その友達は共に成長して助け合う。そんな感じですよね。夫婦ができるだけ自由に暮らせ、モダンすぎずに和の要素も入っている実に心地よい建物。テーマは一家団欒です。リビングからは土手が見えます。とても良い環境で子供達はきっとのびのびと成長するのでしょうね。