放送したお宅
2009年11月6日(金)放送
千葉県柏市・中村邸
大胆リフォームの家(2)
− 中華料理店が大変身 鉄とガラスのモダニズム住宅 −

2008年11月完成

敷地面積 141平米 (43坪)
建築面積 62平米 (19坪)
延床面積 120平米 (36坪)
鉄骨造
建築費:2750万円 坪単価:76万円



25年間続いた中華料理店を両親の引退を機に住宅に改装しました。3階建てを2階建てに。交通量の多い通りに面した立地なので2重の塀でプライバシーを守ります。

ワンルームのLDK。南北の大窓と吹き抜けからたっぷりと光が入ります。以前の店舗から流用した鉄骨の構造の一部を露出させています。

開閉部分は、ガラス戸の外側にパンチングメタルを貼り、さらに内側に網戸代わりにも採用。窓枠を隠してすっきりとした見た目を実現。床はやわらかい桐材です。

生活感の出やすい台所は、戸で隠せるようにしました。閉じれば、白い壁になります。コンロは、お父さんが中華料理の腕を振るえるよう高カロリーなガスコンロです。

両親室は畳敷きと障子で和の雰囲気を醸します。桐床の前室は、引き戸を開けば居間の一部、閉じれば両親室の一部になります。

将来2分割する事を考慮し左右対称に作られた子供室。壁にシステムラックをビルトインしました。ホールのガラスケースには絵などを飾る事ができます。

楽器やオーディオを楽しむためのシアタールーム。白い壁が、そのままプロジェクターのスクリーンになります。主寝室は一部を造作家具で仕切って書斎に。

洗面室の3つの鏡は好きな高さに固定できるようになっています。浴室は裏庭に面した開放的なつくり。ここにもパンチングメタルが使われています。

建築家のプロフィール
秋山隆男
1956年   神奈川県川崎市生まれ
1980年   日本大学理工学部建築学科 卒
    建設会社、設計事務所を経て
1995年   秋山建築設計 設立
 
秋山建築設計
連絡先   神奈川県川崎市宮前区鷺沼1-17-8 ハイツ鷺沼201
TEL   044-852-5738
FAX   044-852-5734
E-mail   akiyamasekkei@nifty.com
URL   http://homepage2.nifty.com/akiyamasekkei/
     
 
建築家の一言
建築主の両親が営んでいた中華料理店兼住居を二世帯住宅に改修したものです。建築主夫妻は別に家庭を持っていましたが、夫の生まれ育ったこの場所に戻り両親と生活を共にすることになりました。ここで望まれたことは両親の築き上げた財産である鉄骨造の骨組みやALC版の外壁を極力残しながら新しい生活に対応した改修でした。親から子へ建物を引き継ぐ、その気持ちに共感を覚え計画が始まりました。 もともと店舗だった1階は家族全員の居場所に変わりました。リビングルームやキッチン、浴室などを二世帯で共有することがみんなの希望でした。プライベートゾーンは両親が1階に、子世帯は2階へと分かれました。ただこれらの部分も扉や障子を開け放つことができたりガラスで仕切ったりしながら共有部とのつながりをもたせました。小さな子供を含めた三世代が同居する昔ながらの家族関係、少しだけ建築が後押しをしました。
 
渡辺篤史の感想
3世代5人家族の住む建物です。核家族化が進んでいますが、こうした多世帯同居も良いものです。この建物はリフォームです。両親の思い入れのある建物の丈夫な鉄骨構造を生かし、機能的でモダンなデザインの住宅に生まれ変わりました。若夫婦の趣味のシアタールームを設ける一方、両親の部屋は住み慣れた和室にするなど、家族各々が気兼ねなく暮らせるよう配慮されたバランスの良い建物です。