放送したお宅
2009年10月23日(金)放送
東京都板橋区・松原邸
- 壁面緑化で“涼” 壁が庭 ゴーヤの家 -

2005年9月完成

敷地面積 81平米 (25坪)
建築面積 32平米 (10坪)
延床面積 96平米 (29坪)
木造
建築費:2100万円 坪単価:72万円



外壁から50センチ離して設けた木製フレーム。そこにゴーヤのつるを這わせて壁面緑化に。フレームは家のメンテナンスをするときに足場としても活用できます。

半階上がった玄関。床は地下に光を落とすために、ポリカーボネートを使用。左側は日曜大工など大容量の収納スペースです。

2階はワンルームのLDKとロフトがあります。障子を閉めると木漏れ日がさし込みます。ゴーヤは収穫の喜びだけでなく、日除け・目隠しの役割もあります。

リビング南西側の窓は、和紙を張って淡い光を取り込みます。天井の断熱マットはご主人が取り付けました。奥さんも手伝い、立派な仕上がりです。

リビングの棚は、約10畳のロフトに上がるための階段でもあります。ロフトスペースは子供たちの遊び場として活用しています。

ロフトの下にある台所。カウンター下を全てオープンにすることでローコストを実現。浅く傾斜した2段構造のシンクはオリジナル。野菜を洗ったりするときに重宝します。

1階にある夫婦の寝室の広さはおよそ9畳。壁の厚みを利用した本棚は、奥さんのアイデア。隣は浴室で、ヒノキのハーフユニットバスです。

薪ストーブのある地下。奥に子供部屋があります。机と間仕切りは自由に取り外すことができます。突き出し窓によって地下とは思えない明るさです。

建築家のプロフィール
松原正明
1956年 福島県生まれ
東京電機大学工学部建築学科卒業
設計事務所勤務の後
1984年 松原正明建築設計室設立
住まいの環境デザインアワード2008環境デザイン優秀賞受賞
NPO法人家づくりの会理事、設計会員
 
松原正明建築設計室
連絡先   〒175-0084 東京都板橋区四葉1-21-11クローバ21-206
TEL   03-3939-3551
FAX   03-3939-3542
E-mail   mmatsu@mx2.harmonix.ne.jp
URL   http://plaza.harmonix.ne.jp/~mmatsu/
     
 
建築家の一言
敷地24坪、建ぺい率40%、容積率80%と厳しい条件の中、環境負荷を少なく且つ快適に暮らしたいとの思いを実現させた都市型エコ住宅。
地下1階~小屋裏からなる4層の建物は、極力間仕切りを少なくしたワンルーム的なつくりとし、夏は風通し、冬は太陽エネルギーと薪ストーブの暖かさを家全体で享受できる。樹木を植えるような広い庭はないが、外壁に持ち出した木製のフレームに蔓性の植物を這わせれば、夏の日差しを遮り、葉の蒸散作用により涼しい風が家の中を通り抜けていく。冬には自然エネルギーを取り込み、地下壁に蓄熱しながら暖かい空気が上昇し家全体を暖めてくれる。自然を制御して快適な生活を求めるのではなく、漆喰の壁と無垢の木に包まれ、四季の変化と自然の恵みを感じながら暮らしていける家である。
 
渡辺篤史の感想
外観・内部共に、丈夫で使いやすくて美しくという、建築家の自邸です。緑のカーテンと、内部の木の良さが出て、実に味わいある建物です。漆喰の壁が空気をきれいにして気持ちがいいです。みんなが楽しむスペースは開放的なリビングダイニング、そして地下には子供部屋が2つあります。建築家である父が、試行錯誤を凝らした建物は、お子さんの感性を育んでくれることでしょう。