放送したお宅
2009年10月16日(金)放送
東京都杉並区・小林邸
− あふれる色・形 クリエーター夫婦のビックリ箱 −

2008年5月完成

敷地面積 100平米 (30坪)
建築面積 58平米 (18坪)
延床面積 182平米 (55坪)
鉄筋コンクリート造
建築費:非公開 坪単価:非公開



片流れ屋根のアトリエ併用住宅。白い外壁の一角にガラスで仕切られた黄色い階段室が見えます。これは仕事場用の玄関で、駐車場の奥に住居用の玄関があります。

玄関ホールは内壁・天井・ブラインドまでが真っ赤。床は透明な強化ガラスで、地下のアトリエに明かりを落とします。玄関脇のトイレではミラーボールが輝きます。

一面のガラスブロックで明るい階段を上がると、2階はワンルームのLDK。一部が畳敷きとなっています。内壁と天井の白い部分は漆喰塗りです。

食堂の掃き出し窓は折れ戸で全開可能。鏡張りの収納扉が空間を広く感じさせます。家具・照明器具も吟味された物が置かれています。

台所は業務用を思わせる全面ステンレス仕上げ。一部に金銀をあしらったタイル貼りの壁は、このデザインに落ち着くまで何度もやりとりをしたという労作です。

2階にある水回りは、青いタイル貼り。バステラスには屋上へ上がる螺旋階段があります。1階廊下の奥は、ご主人の書斎。コレクションを収めた男の城です。

地階にある寝室、奥さんのアトリエは、空まで吹き抜けたドライエリアの効果で、明るい空間。真っ赤な玄関を見上げます。

仕事場用玄関の黄色い階段室の隣は、オレンジ色の給湯室。さらに奥は真っ赤なトイレ。グラデーションになっています。

建築家のプロフィール
松永隆文
1968年9月   京都市生まれ
1991年3月   京都精華大学美術学部デザイン学ULDコース卒業
1991年〜   設計事務所を経て
2004年7月   Qull一級建築士事務所設立
 
Qull一級建築士事務所
連絡先   東京都目黒区中根1-24-13 トレデアルカサル401
TEL   03-5701-0402
FAX   03-5701-0009
E-mail   info@qull.jp
URL   http://www.qull.jp/
     
 
建築家の一言
「面白いと思えば何でもあり」をコンセプトに、驚きアリ、怪しさアリの、来る人に楽しんでもらえる住宅です。大胆な色を大胆に使った空間と、自然素材にこだわった空間。2つの空間が、絶妙なバランスでひとつの家としてつながっている。遊び心満載の住宅です。
 
渡辺篤史の感想
夫婦共にクリエイティブな仕事をされている施主と建築家。互いに「表現」を生業とする者同士、戦いもあったことでしょう。例えば、キッチンのタイルのデザインにも相当な時間を要したそうです。建てるプロセスは本当に大変だったでしょう。しかし、その分やりがいも感じられたのではないでしょうか。
結果、正に共同作業の作品といえる建物になりました。