放送したお宅
2009年9月6日(日)放送
東京都大田区・松本邸
− 高さ10mの吹き抜け 小屋が宙に浮かぶ家 −

2008年12月完成

敷地面積 65平米 (20坪)
建築面積 39平米 (12坪)
延床面積 90平米 (27坪)
鉄筋コンクリート造
建築費:3900万円 坪単価:120万円



間口が狭く奥行の深い敷地に建つ松本邸。コンクリートの外壁に杉板がアクセントを持たせています。

高さ10mの吹き抜けのある玄関。目の前にはコンクリート壁。トップライトの光が玄関を明るく照らします。

吹き抜け空間のある2階。ダイニング・キッチンに広さを演出しました。杉の木目を転写したコンクリート壁がアクセントです。

7.5mの吹き抜けに浮かぶ小屋のようなリビングと、コンクリートの壁が向き合う路地のような空間。建築家が「裏庭」をイメージして作りました。

西側の大窓から光が入る明るいキッチン。奥さんお気に入りの特製アイランド型の作業台はカントリーでかわいらしく、収納力も抜群。

階段をはさんでダイニングの反対側にある子ども部屋。部屋の窓からはリビングが見渡せて、家族の気配を感じることができます。

宙に浮く隠れ家のようなリビング。オランダから取り寄せたこだわりのソファがあって、ご主人のお気に入りスペースです。

リビングを抜けて、更に空中階段を上れば最上階にある水回り。浴室の床を、南側に設けたテラスと同じ、すのこ敷きにしたことで広さと統一感を感じます。

建築家のプロフィール
小嶋良一
1974年   東京都生まれ
1997年   武蔵工業大学工学部機械工学科卒業
1997年〜2002年   エンジニアリング、カメラアシスタント、
映画・音楽のイベント運営等、さまざまな仕事に携わる
2002年   東京工科専門学校建築科(夜間)卒業
2002年   青島裕之建築設計室勤務
2005年   こぢこぢ設立
2008年   「△の家」でグッドデザイン受賞
 
こぢこぢ一級建築士事務所
連絡先   東京都目黒区上目黒2-44-19杉山ビル303号
TEL   03-6412-8020
FAX   03-3760-3430
E-mail   ryo1kozima@nifty.com
URL   http://kodikodi.com
     
 
建築家の一言
大きな2枚の壁に挟まれたサンドイッチのような家。その中身は、宙に浮いたログハウス、光いっぱいの中庭のような室内スペース、高さ10mのコンクリートの塔など、まるでミックスサンドのようにバラエティに富んでいます。 住宅密集地にある20坪のウナギの寝床状敷地に対し、若いご家族が望まれたのは「明るく楽しい家」でした。 家の中心に位置する天井高さ7mのダイニングは、キッチン〜リビング〜子供部屋〜寝室〜テラスと繋がり、常に家族の気配を感じられる場所となっています。杉板に包まれたリビングからは吹抜け越しにコンクリートの塔が一望でき、そこに空いた穴からは子供の笑顔や飛行機雲、風に揺れる洗濯物などが覗きます。トップライトから差し込む陽射しは刻々と表情を変え、家の中に居ながら季節の移ろいを感じさせてくれます。豊かな感性が育まれるような、住んでいて楽しい家であって欲しいと思います。
 
渡辺篤史の感想
正面見上げて南京下見張りの板が見えて、これはどうなっているのかなって思ったんですが、中に入ってわかりましたね。吹き抜けが気持ち良いですね。そしてツリーハウスはくつろぎの居間で、実に夢があるスペースが誕生しました。そして、キッチンなんですが、建築家の弟さんは奥さんの希望を受け入れつつ、自分の味をとことん出したということで、都心の住宅として非常に参考になるという感じが致しました。