放送したお宅
2009年8月30日(日)放送
東京都中野区・百瀬邸
- 鉄、コンクリート、そして家具 10坪 都会の夜を楽しむ家 -

2007年12月完成

敷地面積 55平米 (17坪)
建築面積 32平米 (10坪)
延床面積 78平米 (24坪)
WRC造
建築費:非公開 坪単価:非公開



敷地17坪という狭小地に、10坪の建物。住宅密集地のため開口部を最低限に抑えています。夜になると窓を覆うアルミの小さな穴から光が洩れます。

基本カラーはこげ茶色。玄関の収納は取っ手の出っ張りをなくし、シンプルな空間に仕上げています。

2階は、およそ13畳のリビング。部屋には10年前から徐々に買い揃えたお気に入りの家具が並びます。

鉄で作られた階段には、照明を仕込み、まるでアート作品のように浮かび上がらせます。

階段を挟んでリビングの反対側にあるキッチンは、棚の内側に至るまで全てステンレス仕上げ。こだわっています。

3階は寝室。2階から一転して開放的な空間。バルコニーからは、新宿の風景が眺められます。

寝室から階段を挟んだ反対側には、ウォーク・イン・クローゼット。ロールカーテンには、シャンデリアのカッティングシートが貼られています。

浴室は、ミストサウナとジャグジー完備です。ガラスで仕切ることで狭さを感じさせません。

建築家のプロフィール
小栗 幹雄 (+寺田 玲子)
小栗 幹雄
1970年   福岡県生まれ
1996年   武蔵工業大学大学院 修士課程修了(現、東京都市大学)
1996年   株式会社プランテック総合計画事務所

・出雲の介護士学校 出雲市景観賞受賞
・イマジカ品川ビデオセンター
・玉川高島屋 マロニエコート その他
2001年   ラウンドテーブル設立 同代表
・「日本の手技」グッドデザイン賞2008 受賞
 
ラウンドテーブル 一級建築士事務所
連絡先   東京都渋谷区代々木4-17-3 スペース西新宿302
TEL   03-5302-1585
FAX   03-5302-1586
E-mail   info@roundtable-com.com
URL   http://www.roundtable-com.com
     
 
建築家の一言
「空の階段」は生まれるべくして生まれました。

都心に居を構えようと試みた方は少なからず「ご近所さん」との対面に苦慮された経験をお持ちでしょう。今回の住宅も例に漏れず近隣住居に挟まれた「都市型住宅」です。
最上階の南側にテラスを配し、そこから供給される「光や風」を、建物を貫く吹抜空間=階段を通して下階へ誘導し、建物外周は可能な限り壁で囲い込む事を考えました。
階段からの緩やかな日差しは、生活の核となるリビングの質をさらに高める事となりました。
閉じる・囲う事によって広がる「空間の可能性」を実現し、また実生活に不可欠なプライバシー~防犯を確保する事が出来ました。
こだわりの「モノ」好きなご夫婦にとって、雲模様の入った鉄板の階段・窓にはめ込んだスターダストの化粧板などは、「オブジェ」としての存在感を楽しんでもらえているようです。
この住宅に移られてからは、休日の外出が少なくなったご様子。
良かったのか!?悪かったのか??は不明ですが、様々な条件下で夫婦の都市生活をより豊かなものに出来たのでは無いかと、とても嬉しく思っています。
リビングから寝室へ向かう階段から見上げると、まるで空に向かっているような気持ちになります。
 
渡辺篤史の感想
コンクリート打ちっ放しの建物。この家に漂う光は、部屋によっていろんな明かりなんですけど、実に味わいがありますね。家具もこの建物を完成夢見て、十年前から集められました。また一転、豪華的なジャグジーのお風呂も気持ち良さそうです。そしてキッチンは奥さんの意のままに、閉じた空間で料理したいという希望をかなえました。ご夫婦と、建築家は、大学の同級生で学生時代を思い出しながら家造りを楽しみきった。そんなことが言えるんじゃないでしょうか。