放送したお宅
2009年8月23日(日)放送
埼玉県加須市・加庭邸
− しあわせを呼ぶ青い小箱 不思議な「回」の字の家 −

2008年12月完成

敷地面積 500平米 (151坪)
建築面積 109平米 (33坪)
延床面積 130平米 (39坪)
木造
建築費:非公開 坪単価:非公開



家族で経営する工場の敷地内に立つ建物。工場の一部にみえるように工業的でシンプルな外観を希望しました。

壁材はOSBボード。構造材をむき出しにしています。正方形の箱の中に小さな正方形の箱を配置した、いわゆる「回」の字のような間取りです。

外側には、生活スペースを配置。リビングは、およそ20畳、天井高5mの大空間。室内窓を開けると中から子ども部屋が出現。

リビングで遊ぶ子どもを見ながら料理ができるキッチン。子ども部屋の様子も眺められます。

リビングの反対側、北側には、10mのワークスペース。室内窓を開けると、ふたつのベッド。まるで寝台車のような子供用の寝室です。

内側の箱には、個室を配置。夫婦の寝室、リビングと繋がる子ども部屋は、クローゼットを兼ねた内側の廊下から入ることができます。

白く清潔感ある水回り。浴室はFRP塗装なので掃除も簡単です。

玄関横にある階段を上れば2階。リビング・ダイニングを見下す、屋根裏のような空間です。家の中心部分には、屋上デッキがあります。

建築家のプロフィール
二宮 博+菱谷和子
二宮博(にのみやひろし)
1963年神奈川県生まれ
早稲田大学大学院 AAスクール大学院修了

菱谷和子(ひしやかずこ)
1963年福岡県生まれ
横浜国立大学工学部建築学科卒業
 
ステューディオ2アーキテクツ
連絡先   〒221-0865 横浜市神奈川区片倉2-29-5
TEL   045-488-4125
FAX   045-488-4195
E-mail   studio2@ec.netyou.jp
URL   http://home.netyou.jp/cc/studio2/
     
 
建築家の一言

計画地は都心では望めないほど広く、欅の大木や桜、梅といった樹木にも恵まれています。一方で道路騒音や隣接するファミレスの駐車場や工場への車の出入りも多く、別荘地のようにシンプルに外部に開放することでは、快適な居住空間が得にくいという一面もありました。

そこで、外周は回遊性をもつ居間や食堂、ワークカウンターや縁側の連続するゾーンが屋内でありながら、寝台や寝室を内包した、外部空間との間にある中間領域、つまり、縁側のような外部的な内部、日本的な「間」であるという関係をつくりました。

外観は、お弁当工場のサービスヤードに面しているから、普通の住宅の生活感やスケール感を出さず、工場の社屋のようであることを意図しました。銀色の箱のような外観やお弁当の折詰めのような間取りとなったことから、「BENTO」と名付けました。

 
渡辺篤史の感想
彩暉くんの笑顔、そしてリラちゃんという名の猫かわいいですね。この建物は、敷地に十分な余裕があってそこに平屋です。外側にはパブリックスペースで、内子のような中が個室ですね。その中には、ベッドありますけども深く眠れるでしょうね。奥さんが建築や家具に造詣が深く、とても良い空間に仕上がっています。母屋があって、蔵があって、蔵の瓦とこの建物。そのバランスこそが見せ場という感じがいたします。