放送したお宅
2009年8月16日(日)放送
千葉県柏市・丹羽邸
− アトリエも仲良く2つ 双子の2世帯住宅 −

2008年12月完成

敷地面積 225平米 (68坪)
建築面積 105平米 (32坪)
延床面積 176平米 (53坪)
木造軸組工法
建築費:3800万円 坪単価:72万円



切妻屋根の左右対称な外観。仲の良い双子兄弟が東西半分ずつスペースを分け合う2世帯住宅です。向かって右が兄世帯、左が弟世帯となっています。

まず、お邪魔したのは弟世帯。建築家である弟さんのアトリエです。この建物の設計ももちろん弟さん。天井の段差に設けた通風口が住居部分との繋がりを生みます。

南側には住まい用の玄関があります。洗面室は、木製カウンターと鮮やかなタイルが印象的なナチュラルテイスト。

2階のLDKも、漆喰と腰壁のナチュラルテイスト。梁を露出させた屋根なりの高い天井が伸びやかな印象。広いロフトも設けられています。

台所は、木製カウンターとタイルの仕上げ。寝室は畳敷きの和室。昼は障子を開けて広く、夜は閉じて落ち着いた空間に。

続いては兄世帯。革職人であるお兄さんの工房兼店舗です。紫外線から革を守るため、窓は小さめ。弟世帯同様、住居用玄関も別に設けられています。

2階のLDKは、シナ合板とステンレスを基本としたラフ・テイスト。今後、自分たちで少しずつ手を入れていく予定だそうです。

寝室の床には、製作過程で出た革の切れ端を敷き詰めました。洗面室もシナ合板仕上げ。2世帯ほぼ同じ間取りでありながら仕上げに個性がにじみ出ます。

建築家のプロフィール
丹羽 修
1974年生まれ。千葉県柏市出身。
97年芝浦工業大学工学部建築科卒業後、建設会社・設計事務所等で経験を積み、
2003年NLデザイン一級建築士事務所を設立。
住宅設計を主な仕事とし、丹誠を込めて人に喜ばれる家づくりに没頭する毎日。
 
NLデザイン 一級建築士事務所
連絡先   〒277-0071 千葉県柏市豊住1-3-48 双子の家-弟
TEL   04-7176-2088
FAX   04-7176-2088
E-mail   info@NL-D.jp
URL   http://www.NL-D.jp
     
 
建築家の一言

* 建主の希望
双子の兄弟の夢だった店舗併用住居
住居・仕事場兼用で一日のほとんどを家で過ごす為、快適な空間にしたい
(プライベートも確保)
自然素材を使い、経年変化で味わい深くなる家
双子の兄弟で住む長屋式住居

* 外観デザイン
親しみやすく、どこか懐かしいたたずまい
左右対称形
隣に古くから建っている納屋にデザインを合わせた(共に歳を重ねていける様に…)  

* 設計上のポイント
風が通る家(通風とコミュニケーションのための2階からの覗き窓)
1階は主に仕事場、2階は住居
回遊できるロフト(2方向から上がれる)
上下、左右のつながり
一部スキップフロア
細長い家のため、狭さを感じさせない工夫
スペースを最大限に生かし収納を確保した(革棚、小屋裏、階段下、壁面収納等)

* 建築上のみどころ
兄弟それぞれ、雰囲気のちがう内部空間
革工房、設計事務所、ミニギャラリーが入った物作り長屋

* 特殊な部材などを使用した部分
外壁:白州そとん壁(火山灰)・板張り、木製サッシ、漆喰の壁、珪藻土の壁
木製で作ったキッチン、船舶用丸窓、革製パッチワークタイルの床

* ローコスト対策
床・壁・キッチン・洗面台等木部の塗装は自主施工を行った
造り付け本棚は2×4の構造材を使用
2件分をまとめて1件として建てた(大幅コストダウン)
建物の形態をシンプルに

 
渡辺篤史の感想
切妻屋根の左右対称の建物。一緒に生まれ育った双子の兄弟が、半分ずつシェアして暮らす2世帯住宅です。設計は、建築家である弟さん。仲の良い兄弟とはいえ、設計過程では、きっとぶつかり合いもあったでしょう。それも良い思い出になりますね。広さは同じ、間取りもほぼ同じようでありながら、それぞれの趣味・趣向によって随分と違った印象になりました。これも家作りの面白い所ですよね。