放送したお宅
2009年6月14日(日)放送
千葉県南房総市・稲田邸
- 毎日がリゾート生活 サーファー夫婦のビーチハウス -

2008年4月完成

敷地面積 999平米 (302坪)
建築面積 189平米 (57坪)
延床面積 184平米 (57坪)
木造在来構造
建築費:非公開 坪単価:非公開



太平洋が目の前に広がる敷地に、機能ごとに別棟となった4つの箱形の建物を扇形に配置。植栽もリゾート気分を盛り上げます。

玄関の一部は吹き抜けで、トップライトから光が注ぎます。壁の珪藻土は手跡を残した仕上げ。照明は、地元で活躍する吹きガラス作家・大場匠氏の作品です。

メキシコのリゾートホテルをイメージした居間。海側は全面ガラス戸で、開けても閉めても海を眺められます。メキシコで購入した家具もピッタリと似合います。

台所の窓は、また違った角度から海を切り取ります。天板は大理石。居間の隣には、ライブラリーと名付けられた書斎もあります。

リビング前のデッキテラス。共にサーファーである夫妻は、ここから直接海へ向かいます。大勢の仲間が集まっても充分なスペースがあります。

個室棟の1階は多目的室。客間や、奥さんのフラメンコの練習場に使われています。2階は主寝室。東面の大窓から射し込む朝日で目覚めるそうです。

個室棟の2階にある浴室。もちろん、ここからも海を眺められます。屋上テラスは将来、苔で屋上緑化する計画です。

ゲスト棟の1階にはジェットバス。外シャワーも設置されています。2階はテラス付きの客室。ゲストが気兼ねなく過ごせるよう配慮された空間です。

建築家のプロフィール
岩間 航
1972年生   東京理科大学理工学部卒(学部)
ベルラーヘインスティチュートアムステルダム卒(修士)
 
岩間航設計事務所
連絡先   〒167-0042東京都杉並区西荻北3-1-9山屋ビル3F
TEL   03-5382-1097
FAX   03-5382-1097
E-mail   co@tasuorg.com
URL   www.c-u-a.com
 
建築家の一言
こんな敷地が日本にあるとは…。
目の前に広大な海が広がる敷地をはじめて見たときに感じました。
休みも都会を素通りでリゾート地に行ってしまうというご夫婦。ゆったりとした空気が流れ、海を十分に楽しむ事ができる空間を望まれていました。
設計を始めた当初、色々なプランを提案させてもらいましたが、室内の使い勝手を考えると四角いプランが良いというご意見をいただきました。確かにそうとも考えられるのですが、これをそのままかたちにしてしまうと、実現化すべく、自由でゆったりとした空気の流れる空間は演出しにくいかもしれないと思いました。
そこで数個の四角をずらしながら配置し、内部は四角なのですが、外部への視線はもっと自由なものとなるようにし、ずれたものを大らかに接続させていく設計としました。
これによりゆったりとした海岸線を感じられる空間と直角方向に圧倒的な海を受けとめられる空間など、様々な眺めを計画することができるようになり、そして微妙な配置が可能となったお陰で風の流れを建物全体で受けてしまわないように、配置を調整し、外部空間にも様々なプライバシーの強弱のあるものを計画できました。
現在ご夫婦は色々な植物を植え、外部空間の成長を楽しまれています。建物同様に植物の植える場所もここにお願いしますといった決定された場所は無いので、自分達の感性を大切に、より自由に楽しんでいただいているようで、大変嬉しいです。
 
渡辺篤史の感想
なかなか売りに出ることの無い海に面した敷地を、縁あって入手されたご夫婦が、縁あって出会った建築家と協力して、この場所にピッタリの家を建てられました。世界各地を旅された2人が最も感銘を受けたというメキシコのリゾート地ロス・カボスのホテルを参考したそうです。建物も、生活スタイルも『人生は楽しむためにある』という言葉を具現化しているように感じました。