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2009年2月8日(日)放送 神奈川県川崎市・北原邸 家の中に「外」を取り込むシリーズ(1) バルコニー −しわしわ壁が包むバルコニー 段差が生み出す面白空間− |
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| 佐藤 森 | ||||||||||||||||||||||||
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| +0一級建築士事務所 | ||||||||||||||||||||||||
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| 敷地周囲の高低差のある地形をそのまま建物内部に引き込んだスキップフロア形式の平面とし、前面道路の傾斜と平行に傾けた屋根をのせる。こうすることで、それぞれがレベルや天井高さ、形状、そして性質の異なる、様々な個性を持った”場所”が生まれた。 スキップ状のフロアが邪魔になることなく、その床の段差が料理する、食べる、座る、歯を磨く、顔を洗う、フロに入る、勉強や仕事をするなどといった生活行為を誘発するように、生活に最低限必要なもの、つまり、トイレやバスタブや洗面器などの衛生機器、キッチンユニット、ダイニングテーブル、そして本棚などの収納を配置していった。さらに回遊性を持たせることで、行き止まりのない、物理的なもの以上に広さが感じられるようにした。結果、水廻り以外は特に使われ方が規定されていないような”場所”が残った。子供は三階で勉強してもいいし、西陽が強くなってきたら二階のカウンターに移ってもいい。冬は三階で、夏は一階で寝てもいい。その時々に家の中を歩き廻って適した居場所に移っていく、そんな住宅になればと考えた。 ファサードは敷地周辺に多くある擁壁をモチーフにしている。陽の当たり方や時間によって、そのファサードは表情を変えていく。 |
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| ご主人は設備設計、奥さんは意匠設計。夫婦揃って建築のプロです。自宅の設計に際しては、住宅の経験豊富な同級生に設計を依頼しました。3人で激論を戦わせながらの家作りだったそうですが、このプロセスこそ素敵な時間だったんじゃないでしょうか。結果、生まれた建物には、創造の楽しみが随所に見受けられます。大胆な部分と繊細な部分が同居する素敵な空間です。 | ||||||||||||||||||||||||