放送したお宅
2009年1月25日(日)放送
東京都目黒区・山崎邸
−空に延びる斜めの壁 光と風の都市型住宅−

2008年3月完成

敷地面積 66平米 (20坪)
建築面積 46平米 (14坪)
延床面積 115平米 (35坪)
鉄骨造
建築費:2640万円 坪単価:76万円



道路に面する斜線規制のため、二つの壁を大胆に傾斜させた建物。一角を切り取り、駐車スペースを確保しています。

玄関に入ると土間。2つの扉を開くと、約3畳の和室が出現します。玄関に広がりが生まれ、多目的に使える便利な空間です。

北側の2階のリビング・ダイニングの天井高は約4m。斜め壁に合わせて窓を斜めに開いたため、垂直に窓を開くよりも日射時間が長く、明るい空間です。

収納家具で仕切る事で、動きやすく使いやすいキッチン。サービスバルコニーと、料理本用の本棚、さらに食品庫付きです。

見せる収納と隠す収納のバランスを考えた山崎邸。ソファの座面の下。玄関の靴箱から階段下まで、家中に設けられた充実した収納で、室内がすっきりと片付きます。

3階は、夫婦並んで使えるワークスペース。リビングと吹き抜けで繋がり、浮いているような感覚が味わえる空間です。

3階の半階上がって水回り。浴室は手入れのしやすいFRP。ハイサイドの窓からは採光を確保し、青空を眺めながら入浴できます。

水まわりの奥、ウォークイン・クロゼットは、将来の子供部屋。さらに上に上がった屋上は路地のような守られた空間です。

建築家のプロフィール
高安 重一
1966年   千葉県生まれ
1989年   東京理科大学卒業
    同大学助手を経て
1995年   建築研究室高安重一事務所設立
2003年   有限会社アーキテクチャー・ラボに改組
 
有限会社アーキテクチャー・ラボ
連絡先   東京都台東区雷門2-13-3-2F
TEL   03-3845-7320
FAX   03-3845-7352
E-mail   info@architecture-lab.com
URL   http://www.architecture-lab.com/
 
建築家の一言

都市部の住宅はそれほど大きな面積がとれないので、まず大きな容積を確保して、それを包み込むような構造を見つけ出すことを試みた。そしてその内部には自由な床や壁を配置できるようなイメージでスタディを行った。
結果として全体を包み込むボリュームは、道路斜線をクリアしながら壁面を緩やかに斜めにすることで、角地でのシンボル的な表情を得ることができた。またインテリアにおいては上階に行くほど細くなる独特の雰囲気が生まれる。それを生かすべくそこにスキップフロアの床を挿入することで、各階でぶつ切れにならずに、縦方向へのつながりが広がりを感じさせることとなった。スキップフロアを上がっていくと最後にはルーフデッキに到達して、空へとつながっていく構成となっている。
最後に窓のつけ方に関して、隣との隙間は広くはないが隣地に対しても明かり取りの窓を大きく開けている。東西南北に窓をとることは住宅の内部にいろいろな方向性を生み出すこととなり、狭小地であることを忘れさせてくれる効果がある。

 
渡辺篤史の感想
建物は上に行くにしたがって細くなっていく独特な形です。これが内部の心地良い空間に繋がっています。外観はストイックですが、中に入ると温かな感じがします。土間玄関横の多目的な和室、天井の高いリビング、造り付けのソファ。建物全体が癒してくれるような印象を受けました。お子さんも生まれて、もうすぐ3人になる幸せな家族です。