放送したお宅
2008年12月7日(日)放送
宮城県仙台市・前澤邸
放送1000回達成・仙台特集(2)
-上下階がスライド!? 杜の都の風を感じる家-

2007年8月完成

敷地面積 181平米 (55坪)
建築面積 81平米 (24坪)
延床面積 112平米 (34坪)
鉄骨造
建築費:2600万円 坪単価:77万円



同じ平面サイズの2つの箱をずらして重ねた形。2階の一部はキャンティレバーで、道路に向かって迫り出しています。夜、階段室の半透明窓から漏れる灯りがきれいです。

1階中央を貫く廊下は「路地」のイメージ。先に明るい光の空間が待っています。1階の南端は子供室。大きな開口の先には緑多い風景が広がります。

幅1.8mの大階段。傾斜が緩やかで、踏面も大きく、座って読書したりするにも最適。片面には本や小物をたくさん飾れる棚が設けられ、趣味室として機能します。

白主体の1階から一転、2階は天井・壁・床を黒主体で仕上げています。南北に大きな開口を設けた筒のような一室空間。薪ストーブも設置されています。

長さ4mのステンレス製カウンターのみのシンプルなキッチン。使い方の変化に対応できるよう、下は空けてあります。冷蔵庫も食品庫に収めて、スッキリした印象。

食品庫の上はロフト。ここにも本棚が設けられ、カーペーット敷きに。子供たちもお気に入りの遊び場所です。

1・2階をずらしたことで生まれたルーフテラス。ひな壇状の敷地と相まって、開放的な場所になっています。ここで食事することを、子供たちは『外食』と呼んで楽しんでいます。

1階の浴室には大きな開口が設けられ、露天風呂気分が味わえます。窓のすぐ前に植えられたモミジをライトアップできるよう照明も設置されています。

建築家のプロフィール
手島 浩之
1967年   岡山県生まれ
1990年   東北大学工学部建築学科卒業
1992年   株式会社 山本理顕設計工場
1997年   有限会社 都市建築設計集団/UAPP
 
都市建築設計集団/UAPP
連絡先   宮城県仙台市青葉区一番町一丁目15-38小林ビル2F 〒980-0811
TEL   022-217-2515
FAX   022-217-2516
E-mail   uapp@mve.biglobe.ne.jp
URL   http://www.uapp.jp
 
建築家の一言

この住宅は、1階と2階を全く違う考えの元につくっています。1階は道路に面した駐車場とお風呂などが面するプライベートな庭が効率よく確保できるように、長方形の敷地に対して斜めに配置し、2階は遠くの景色の中にリビングが浮かんで見えるように考えました。その結果、1階と2階はねじれた構成になっています。そのねじれを結ぶために楽しい階段をつくりました。単純な構成、簡単な操作の中で、本当に楽しい住宅ができたと思っています。住み手の努力によるところも大きいですが、特にリビングの夜の雰囲気は本当に素晴らしいです。今になっても、たまにお伺いすると本当にはっとします。

 
渡辺篤史の感想
四角い箱を2つ重ねて少しずらしたような形の建物です。とてもモダンでクールなデザインですが、ここで生活されるご家族を包む温かみも感じられます。建築家との相性が良くなければ、こうはいきませんね。 また、建物には、これからの生活の変化にも対応し得る余裕が、ありこちにあります。奥様がおっしゃっていた『家族の成長と共に建物も成長していく』という言葉が大変印象的でした。
前回と今回、1000回達成記念ということで仙台に参りましたが、2軒とも番組の記念に残る素晴らしい建物でした。