放送したお宅
2008年10月12日(日)放送
神奈川県横浜市・小島邸
- 中庭に暮らす 三角形の白い家 -

2007年10月完成

敷地面積 98平米 (30坪)
建築面積 52平米 (16坪)
延床面積 91平米 (28坪)
木造一部RC造(地下駐車場のみ)
建築費:非公開 坪単価:非公開



三角形の敷地に立つ白い建物。等間隔で配置された小窓は建築家のオリジナルです。傾斜した敷地を利用したガレージにはご主人の愛車が・・・。

真鍮のポストとドアノブはご主人のこだわり。欧州のアンティークショップから取り寄せたそうです。

V字に配置される2棟の建物によって、生み出された三角形の中庭。中庭面の戸は全てガラス戸。開け放てば中庭もリビングに!?

1階、南側は予備室と水回り。ご主人がデザインしたポスターが飾られています。浴室からも中庭が眺められ開放的な空間を演出。

北側は第2の居間ともいえるフリースペースと寝室。オレンジ色のソファは以前の家で使っていた物。西日の差し込む寝室にはロールカーテンを設置しています。

2階はLDKのワンルーム。キッチンの天板は、将来的にパスタ生地が作れるようにと大理石を選択。シンクには野菜洗浄用の蛇口が付いています。

木製の窓枠。中庭に面する窓は折戸になっていて、全開放することで、デッキのような空間に。

2階の南側のデッキから眺めるリビングは、まるで舞台のように見えます。家中どこにいても快適に過ごせる様に、屋上もゆったりとしたスペースに。

建築家のプロフィール
保坂 猛
1975年   山梨県生まれ
1999年   横浜国立大学建設学科建築学コース卒業
1999年   建築設計SPEED STUDIO共同設立・主宰
2001年   横浜国立大学大学院修士課程修了
2003年   建築設計SPEED STUDIO解散
2004年   保坂猛建築都市設計事務所設立
2004-   国士舘大学非常勤講師
     
受賞歴
2008年   東京建築士会住宅建築賞    「LOVE HOUSE」
2008年   東京建築士会住宅建築賞    「屋内と屋外の家」
2008年   WAN Awards 2007 shortlist of six houses「アクリルの家」
2007年   SDレビュー「朝倉賞」受賞  「屋内と屋外の家」
2007年   東京建築士会住宅建築賞奨励賞 「アクリルの家」
   

建築家の一言
屋内と屋外のスペースからなる住宅です。
ご夫妻の要望は「外のような楽しさを持った家が欲しい」ということでした。
建物の構成としては、屋内と屋外がはっきりとつくられていながらも、連続した体験、似たような面積・つくり込み・仕上げ・家具の密度としています。
屋内と屋外は環境として別のものですが、だからこそ屋内のダイニングも屋外のダイニングも両方あって生活はさらに豊かに楽しくなると考えています。
天気の良い穏やかな日には気持ちのいい外のベッドで本を読みながらうたた寝をする。
そうやって考えるとき、屋内での様々な生活が、屋外は別の楽しみを持って現れます。
屋内のスペースも屋外の連続のように感じられ、屋外のスペースも、屋内の連続のように感じられる時もあります。
ここでは生活のシーンが屋内にも屋外にも展開していくような住宅をつくろうと考えました。
 
渡辺篤史の感想
鳥の目で見れば丘の三角形の白い家。所々に配置された小窓や内部の窓枠は木で、ディテールにまでこだわっています。台所や食堂などの機能的なスペースをなるべく集積させて、余白をつくっています。なかでも三角の中庭は、どこから見ても末広がりで奥行きを感じさせます。センスの良い家具が配置され、設計家と建て主のセンスが結合した素敵な建物になっています。