放送したお宅
2008年8月31日(日)放送
静岡県伊東市・須田邸
団塊世代の家づくり(2)田舎暮らし篇
− 移住でセカンドライフ 緑豊かな高原の白い家 −

2006年9月完成

敷地面積 532平米 (160坪)
建築面積 105平米 (32坪)
延床面積 105平米 (32坪)
木造
建築費:非公開 坪単価:非公開



高原の別荘地に建つ奥行きの深い平屋。敷地境界に塀を作らなかった事で、ご主人が丹精込めて手入れした芝庭が引き立ちます。

東側の芝庭には、こちらもご主人渾身の作、せせらぎのある池が。西側には奥さんが育てているハーブガーデンがあります。

床レベルを低く地面近くする事で、庭との一体感を高めた室内。居間の中心には「第1の」中庭があります。お孫さん用にブランコも取り付けられています。

居間から中庭を挟んだ位置にあるキッチン。棚に扉がありませんが、居間から見えない位置なので大丈夫。食品庫を兼ねる収納は玄関側からも出入りできます。

「第2の」中庭に面した浴室。自分だけの空を眺めながら入浴できます。洗濯機を置いたユーティリティスペースも設けています。

長い廊下は、地窓が芝庭との一体感を強調します。ワークスペースと水回りの上を利用したロフトもあります。

半階上がった位置にある奥さんの個室。床下は収納です。ゲストルームは約12畳大。可動壁で、2つに仕切る事もできます。

奥さんの趣味から生まれたクラフトショップ。かわいらしい小物が並ぶ陳列棚は、これまたご主人の手になる物。ご主人の個室は店の隣にあります。

建築家のプロフィール
三浦 慎也
1971年   神奈川県生まれ
1993年   東海大学工学部建築学科卒業
デネフェス計画研究所 他いくつかの設計事務所に勤務
2001年   三浦慎也アトリエ設立
     
受賞歴    
1999年   第6回PLUS1大賞 グランプリ
2001年   International Treehouse Competition 入賞
2007年   air style contest 2007 入賞   他

 
三浦慎也アトリエ 一級建築士事務所
連絡先   〒181-0005 東京都三鷹市中原2-23-13-202
TEL   0422-49-3437
FAX   0422-49-3437
E-mail   mail@atelier-shinya-miura.com
URL   www.atelier-shinya-miura.com
 
建築家の一言
海に近い高原の別荘地で、定年後の夫婦があたらしい生活をはじめるための住宅です。ゆたかな庭やひろがりのある周辺環境とのむすびつきを強めるため、敷地形状にあわせた細長い平屋としました。細長いプランの中は、南端をリビングルーム・北端はベッドルームとして、そのあいだに、2つのゲストルーム(よく訪れてくる子供たちや孫のために)・ワークショップ(趣味の創作活動のため)・3つの中庭を、散らしたようにならべています。日常の起点となる部屋が建物の両端から他のスペースをはさみこむことで、ありがちな"あかずの間"をなくして"ひとつながりの有機的な間"となり、空間全体を夫婦二人の普段の生活にとけこませています。散らしたような部屋の配置でできたズレには、ティーコーナーやロフトなどスペースをつくり、それらの用途にあわせて窓の位置や大きさを変え、住むひともゲストも空間を共有しながら思いおもいにすごせるような奥行きある建築にしています。
 
渡辺篤史の感想
お仕事、そして子育てを卒業されて、自分たちのための第2の人生を楽しむ建物です。ご夫婦それぞれに趣味をお持ちで、互いのテリトリーを侵さず、それでいて心が繋がっているような楽しげな雰囲気が伝わってきました。奥さんの趣味を生かしたショップの陳列棚が実はご主人の作というのも、その一例ですね。
建物の設計は、そんなご夫婦の雰囲気を設計家がきちんと汲み取って形にした、という印象です。正に老後の生活の1つの理想がここにあると感じました。