放送したお宅
2008年8月3日(日)放送
愛知県名古屋市・井戸邸
家族が仲良くなる家(2)
− 屋上に置かれた3つの箱 双子階段の家 −

2007年12月完成

敷地面積 211平米 (64坪)
建築面積 82平米 (25坪)
延床面積 137平米 (41坪)
RC造・一部木造
建築費:非公開 坪単価:非公開



大きくせり出した庇が印象的な建物。自家用車2台が余裕で収まります。庇の上部はアクリルガラスの天窓。自然光だけで庇の下も充分な明るさです。

敷地内に段差があるため、外階段を上がった所が1階。玄関を入ると、擦りガラス越しの光が迎えてくれます。やや明かるさを抑えた廊下の先に、明るいリビングが広がります。

ワンルームのLDKを、オブジェのような2つの階段が、ゆるやかに間仕切ります。水平方向の広がりを演出っするため、天井高を2.2mと低めに抑えています。

ソファは、背もたれの位置が変えらるオリジナル品。食卓で過ごす時間が長いという家族のため、ダイニングチェアもクッションの厚いゆったりした物が選ばれています。

台所のカウンターは床から浮いているように見える、居間の造作収納と統一したデザイン。冷蔵庫も食堂側からは見えない位置に置いて、生活感が出ないようになっています。

1階東側は周囲を塀で囲んだテラス。ベンチが作り付けられています。西側は水回り。外観の特徴である大きな庇が目隠しにもなって、開放感抜群!

2階は、屋上に3つの箱が置かれたようなデザイン。1つはエレベーター室、残り2つが個室です。箱の隙間に路地のような空間が生まれています。

2つの個室は将来の子供室。現在は、1つが子供たちの遊び部屋、もう1つが家族全員の寝室として使われています。エレベーターの他、LDKの2つの階段でもアクセスできます。

建築家のプロフィール
服部 信康
1964年   愛知県生まれ
1984年   東海工業専門学校卒業
1984〜86年   名巧工芸
1987〜89年   綜合デザイン
1989〜92年   スペース
1992〜95年   R&S設計工房
1995年   服部信康建築設計事務所設立

 
服部信康建築設計事務所
連絡先   愛知県西春日井郡豊山町豊場下戸40-1サキビル2F
TEL   0568-28-1408
FAX   0568-28-1408
E-mail   hattori-1122@sf.starcat.ne.jp
URL   http://www3.starcat.ne.jp/~hattori/
 
建築家の一言
名古屋市でもこの緑区は、この数年で造成され住宅が次々と建ち並ぶ土地です。 お施主さんは車イスのご主人と奥様、元気な双子のお子様の4人家族です。 要望として、目立つ家・カッコイイ家が欲しいというご主人と収納しやすい家で家族が楽しく暮らせる「すまい」が欲しいという奥様。 敷地と道路差が2.4Mもありどうしてもエレベーターを使用しての階の移動となる。 そこで子ども部屋にご主人が遊びに行く時には一旦外部を通らせることで、その「とき」しか味わえない朝日や夕暮れ、夜景そして光・風を自ずと感じるもう一つの家族のふれあいの「とき」を持てればと思い、この場所でこの家族しか味わえない「とき」や「家族のふれあい」がここに生まれればと思いエレベーター棟、子ども棟1、子ども棟2を1階の親ガメの上に子ガメをのせました。
 
渡辺篤史の感想
居間にある2つの鉄製階段。オブジェのような美しさです。普通、居間の真ん中に階段があったら邪魔になりそうですが、これが少しも邪魔になっていません。むしろ、この階段がある事で空間の奥行きが深まっています。 また、このお宅のご主人は車椅子で生活されていますが、ぱっと見た所、エレベーター以外それらしい設備が見当たりません。しかし、実際住んで充分な快適性が実現されている。こうした目に見えない配慮が素晴らしいと思います。