放送したお宅
2008年6月15日(日)放送
埼玉県幸手市・野田邸
- 外は閉じる 中は開く 家族がつながるコートハウス -

2005年8月完成

敷地面積 180平米 (55坪)
建築面積 100平米 (31坪)
延床面積 122平米 (37坪)
鉄骨純ラーメン構造
建築費:非公開
坪単価:非公開



交通量の多い幹線道路と生活道路の角地。外からの視線・騒音などを避けるように周囲360度を壁で囲っています。壁の仕上げはガルバリウム鎧張り。

入口をくぐると、そこは中庭。南の共有棟、北の個室棟を空中の渡り廊下で繋いだ構成のコートハウス。中庭面は全て透明ガラス張りなので、家中が見渡せます。

共有棟の床は全て、中庭と同じ磁器質タイル張り。目地も揃えて室内外の一体感を高めます。薄い板のような列柱が、空間の奥行きを強調します。

リビングからは、中庭を通して向かいの棟の個室まで見渡せます。家具好きのご主人が集めた名作家具の数々も似合っています。

リビングから1段上がったダイニングキッチン。棚の上下に設けられた2つの窓が、外からの視線を避けつつ採光します。

家全体を見渡せる位置にあるキッチン。ついつい子供たちも料理に興味を持ってしまう、オープンな設えです。設備や調理器具も、ご主人がデザインにこだわって選んだ物です。

2つの棟を結ぶ渡り廊下の役目を持つ水回り。浴室は専用のルーフテラス付きです。ここからの中庭見下ろしも迫力!

個室棟は、引き戸の開閉で自在に間取りが変えられます。子供たちの成長に合わせて使い方が変わっていくんでしょうね。

建築家のプロフィール
中辻正明+中辻雅江
■中辻正明
1964年   兵庫県生まれ
1989年   京都大学工学部建築学科卒業
1991年   同大学院修士課程修了
1991年~1996年   早川邦彦建築研究室
1996年   中辻正明・都市建築研究室設立

■中辻雅江
1967年   神奈川県生まれ
1990年   東京理科大学工学第二部建築学科卒業
1990年~1998年   キタムラ・アソシエイツ
1999年   清水建築設計室設立
2002年~   中辻正明・都市建築研究室と共同
 
中辻正明・都市建築研究室
連絡先   東京都渋谷区恵比寿西1-3-5-601
TEL   03-5459-0095
FAX   03-3477-0095
E-mail   m-naka@mxj.mesh.ne.jp
URL   http://www2u.biglobe.ne.jp/~m-naka/
 
建築家の一言
流通や行楽の通過車輌が行き交う県道沿いの角地に、この住宅は建っています。この場所で家族4人が快適に暮らせるよう、たくさんの工夫をしました。当初からの希望だった中庭を大胆な形で取入れています。子供達が走り廻って遊べるほど十分な大きさです。中庭を取り囲む建物のボリュームを部分的に下げたり浮かせたりして、風を導き入れ、自然光が差し込むようにしました。そして道路の喧噪や塵埃はシャットアウトしています。外周部は水平ラインを強調し、流れるようなデザインのガルバリウム鋼板鎧張りです。その空気層と凹凸部は断熱効果と遮音性に富み、振動や騒音を吸収、低減するので中庭はいつも静謐です。中庭と内部の連続性が高まるよう、ブレースが要らない鉄骨純ラーメン構造を採用しました。35mm×125mmのスレンダーな鉄骨柱はガラスの方立ても兼ねています。構造材と一体となった製作のFIX部に、既製の木造用サッシュの開閉部を組合せました。コスト面だけでなく、使い勝手や気密性、メンテナンスにも配慮しています。
 
渡辺篤史の感想
交通量の多い道路に面した敷地です。ここでプライバシーを守りつつ開放感を得るために選ばれたのが、この中庭を持つプランでした。家のどこに立っても敷地全体を見渡せるのが、気持が良いです。 ご主人がデザインに関して、とても意識の高い人で、家具・設備・小物まで、こだわって選んでおられるのがわかります。そうした物を置いて映える建物になっています。