放送したお宅
2008年6月8日(日)放送
神奈川県横浜市・赤井邸
− 崖に臨む30畳大空間 斜めの壁と柱が生きる家 −

2007年5月完成

敷地面積 114平米 (35坪)
建築面積 66平米 (20坪)
延床面積 95平米 (29坪)
木造 一部 鉄骨造
建築費:2500万円
坪単価:86万円



独創的な形の建物。空に向って延びる鋭角が印象的です。建物の西側は、高さ5mの崖地になっています。

玄関は外階段を上がって2階のデッキに。高台の見晴らしと、銀杏の大樹を眺められます。

2階はLDKのワンルーム。傾斜する壁と斜めの柱11本が支えるおよそ30畳の大空間。柿渋を塗った構造材むき出しの木が、独特の雰囲気を作り出します。

銀杏を眺めるダイニングテーブルはシンクと一体で作業台も兼ねています。キッチンは斜め壁の奥行きを生かした便利なスペースです。

キッチンと階段をはさんで東の道路側に面するリビング。たくさん人が来ても座って寛げる空間です。

階段を下りると廊下。家族それぞれのワークスペースが並ぶ、斜めの壁と1m間隔の柱をうまく利用した空間です。

引き戸で仕切られた個室は子どもの成長に合わせてフレキシブルに使用できます。

緑の開口がうれしい寝室。浴室はメンテナンスのしやすいFRPで仕上げています。

建築家のプロフィール
仲亀 清進
1965年   神奈川県生まれ
1989年   日本大学理工学部建築学科卒業
1990〜1992年   近藤春司建築事務所
1995年   仲亀清進建築事務所設立
現在   日本大学理工学部建築学科非常勤講師
 
株式会社 仲亀清進建築事務所
連絡先   神奈川県横浜市鶴見区獅子ヶ谷1-11-1 B1
TEL   045-581-9812
FAX   045-581-9812
E-mail   info@nakagame.com
URL   http://www.nakagame.com/
 
建築家の一言
赤井邸の敷地は横浜に良く見られる起伏の多い住宅地の一角にあり、西側に面する緑深い幼稚園のグラウンドへと下っている。建物は近隣と隣接した左右を閉じ、木造の門型フレームによるトンネル状の空間を用意した。そしてこのフレームの一方の壁を外側へ傾かせ、各階1mピッチで連続するツーバイ材による偏芯ブレースの架構を設けた。これによって眺望の良い西側方向に対して壁をなくし、効果的に視界の抜けと空間のリズムをつくりだしている。また、できる限り装飾を排除して骨格のはっきりした空間をつくることができた。
 
渡辺篤史の感想
敷地の西側は崖地になっていて、そこからイチョウの大樹を眺めることができる良い場所です。東西に設けた大窓は抜けを感じさせ、家族はもちろん来客が大勢来ても寛げる空間となっています。南側の斜め壁がさらに空間の広がりを演出していて、お子さん達もここで夢を抱きながら成長していくのではないでしょうか。