放送したお宅
2008年5月18日(日)放送
東京都世田谷区・岡田邸
− メープルの大テーブルに集う “おうちdeカフェ”な家 −

2007年6月完成

敷地面積 94平米 (28坪)
建築面積 46平米 (14坪)
延床面積 91平米 (28坪)
木造軸組
建築費:2200万円
坪単価:71万円



木製の横格子が印象的な外観。敷地が南北2辺で道路に接していて、玄関前のアプローチは「通り庭」になっています。

「通り庭」の中ほどに位置する玄関。入って正面の大きな磨り硝子(スリガラス)と階段上から淡い光が入ります。

2階は約25畳大のほぼワンルームのLDK。中心に据えられているのは全長5mの食卓一体のキッチンカウンター。ご主人が希望したカフェのような空間です。

ソファの置かれた居間スペース。南・西の2面をデッキテラスが囲みます。折れ戸を開けば、居間との一体感もアップ。横格子が視線を適度に遮ります。

台所は居間・食堂から床レベルを15cm下げることで目線の高さを合わせています。また、冷蔵庫まで収納する事で生活感も少なくなります。

キッチン脇に設けられた奥さんの書斎兼家事室。回遊動線が確保されています。ロフトは息子さんのスペース。LDKとの距離感も楽しいです。

1階に設けられた約6畳大の広々した水回り。洗面室と浴室の間の仕切りは透明ガラスです。猫足のバスタブ、煉瓦タイルなどレトロな雰囲気もあります。

この他1階には主寝室と現在は納戸として使われている個室があります。

建築家のプロフィール
鈴木恵介 牧野嶋彩子
鈴木恵介
1973年   埼玉県生まれ
1995年   沖縄県立芸術大学デザイン科卒業
卒業後専門学校で建築を学び、(株)アーツ&クラフツ建築研究所、
(有)佐々木善樹建築研究室に勤務
2003年   牧野嶋彩子と空間計画提案室を設立
     
牧野嶋彩子
1972年   千葉県生まれ
1994年   日本大学生産工学部建築工学科卒業
卒業後(株)アーツ&クラフツ建築研究所に勤務
2003年   鈴木恵介と空間計画提案室を設立
 
(株)空間計画提案室
連絡先   東京都港区南青山2-14-4 クレインコートC1
TEL   03-5772-2485
FAX   03-5772-2486
E-mail   staff@kookan.jp
URL   http://www.kookan.jp/
 
建築家の一言
敷地は世田谷区の密集した住宅地にあり、南北2方向が道路に面しています。南の間口は狭く、南北が長い形状でした。クライアントから提示された条件は「ひとの集まる明るい家」。そこから導き出されたテーマは「かふぇ」。限られた敷地を最大限利用しながら、都市生活は室内だけに留まらないという定義を可視化させたプロジェクトです。シンプルな総二階の建物にテラスを巡らす事で、外観のアクセントにもなり、内部空間を拡張させる特別な空間となります。「開放感」と「プライバシーの確保」と云う矛盾する2つの要素をバランス良く両立させた、光と風の吹抜ける居心地のいい「かふぇ」ができました。
 
渡辺篤史の感想
住宅は、やはり寛げる空間であって欲しいですよね。この建物は、モダンとナチュラル、2つの方向性のデザインがほどよくミックスされていて寛げる雰囲気です。
特に楽しいのは、家の中心に置かれたキッチンとダイニングテーブルです。来客をもてなしつつ家族も楽しめる居場所、その名も“おうちdeカフェ”。コンセプトの明快さが、家づくりを成功に導きました。