放送したお宅
2008年4月20日(日)放送
東京都品川区・石井邸
− 世界にひとつの形 光が集う曲線の家 −

2007年8月完成

敷地面積 173平米 (52坪)
建築面積 94平米 (30坪)
延床面積 191平米 (58坪)
RC造
建築費:非公開
坪単価:非公開



高低差のある敷地をスロープでつなぐ玄関アプローチ。外壁は櫛引仕上げ、太陽の巡る角度を計算してこの形に成ったと言うアールの壁が印象的です。

美しい曲線が迎えてくれる玄関。上がりかまちの曲線は、建築家が現場で描いたもの。

リビングと一体化する坪庭・紅葉と、光のさし込みが、季節と時間を身近に感じさせてくれます。

リビングの反対側には、ダイニングとキッチン。曲線が美しいダイニングテーブル。キッチンからは、室内全体が眺められます。

竹の坪庭を眺める水まわり。滑りにくいコルクタイルの床、天井の檜が空間を引き締めます。

2階の階段室は、本棚が並ぶ家族の図書館。リビング上部の吹き抜け、坪庭上部から光が差し込みます。

生活時間が違うため納戸を挟んで、行き来する夫婦別々の寝室。

竹の坪庭に面する子ども部屋。竹の上部が眺められる明るい空間です。

建築家のプロフィール
廣部剛司(ひろべ・たけし)
1968年   神奈川県出身
1991年   日本大学 理工学部 海洋建築工学科 卒業
1991〜98年   芦原建築設計研究所
1998年   建築を巡る8ヶ月の旅
1999年   廣部剛司 建築設計室 設立
2005年〜   日本大学 理工学部 海洋建築工学科 非常勤講師
2006年〜   明治大学 理工学部 建築学科 兼任講師
     
著書: 「サイドウェイ 建築への旅」(TOTO出版)
  現在、雑誌「モダンリビング」に 『響きのかたち』を連載中
     
受賞歴: 建築家のあかりコンペ 2007  入選
  第27回INAXデザインコンテスト 部門賞 入選 「黒箱-渋谷H」
  日本建築家協会 優秀建築選2006 「南青山の家」入選
  第2回木質建築空間デザインコンテスト「茶畑の家」住宅部門 入賞
  2005住宅建築賞・奨励賞 「茶畑の家」
  ほか
 
廣部 剛司 建築設計室
連絡先   〒213-0004 神奈川県川崎市高津区諏訪 1-13-2 広佐ビル2F
TEL   044-833-9798
E-mail   hirobe@luna.email.ne.jp
URL   http://www.hirobe.net/
 
建築家の一言
「建築」が住まわれる人に「手をさしのべる」ように創ろうと思いました。
造り付けの家具をかなりの密度でつくり、そして人の手に近いところまで
様々な要素をデザインしていく。どこからが「建築」でどこからが「家具」なのか
そういうことを、住まわれる人が特に意識しないようにしつつも
自然と建築空間に<包まれる>ように。
そこに、季節や時間と共に移りゆく光が射し込みます。

変化していく光、それを映すモノの影、それらを感じながら日々過ごすうちに、
いつしか、五感がさらに開いていき、住まわれる人が、
「包まれているのは<地球>そのものの中なんだ」という感覚になってくれたら…
と思いながら設計していました。
そこには、深い意味での安心感が生まれるような気がするのです。
 
渡辺篤史の感想
よく建築家はオーケストラの指揮者に例えられることがありますが、この建物を見ますと全体の構成から細部に至るまで建築家のこだわりを感じます。設計図面を基礎にして職人さんたちが楽器を演奏するかのごとく楽しく躍動しているのように思えました。目的のない時間を十二分に豊かにしてくれる「器」のような建物ですね。