放送したお宅
2008年4月13日(日)放送
神奈川県海老名市・白石邸
- 子どもが元気になる ジャングルジムのような家 -

2007年10月完成

敷地面積 101平米 (31坪)
建築面積 59平米 (18坪)
延床面積 92平米 (28坪)
木造
建築費:2100万円
坪単価:68万円



2トーンカラーの外観。濃い緑色が居住棟、灰色が水回り棟です。東面には大窓が開けられていて、夜になると遠くからも暖かい光を見ることができます。

玄関を入ると、居住棟と水回り棟を繋ぐ約8畳の土間。自転車、キャンプ、釣りなど趣味の道具がたくさん納まっています。

学校のような大きなシンク、2つ並んだトイレなど、5人家族が仲良く使える水回り。浴室の壁の濃い灰色は、モルタルに墨を混ぜたものです。

間仕切りの無いスキップフロア。上り階段と下り階段を両端に造り敢えて動線を長くすることで、室内を広く感じさせます。1.5階は、家族みんなの図書スペースです。

2階は、家全体を見渡せる居間と台所。『食べ物に興味を持って欲しい』というご夫婦の願いを形にした、オープンなスペースです。

居間に隣接する約15畳のデッキテラス。東隣の梨畑を見下ろす気持ち良い場所です。ベンチも作り付けられていて、居間の延長として使えます。

2.5階と、さらに上のロフトは使い方を限定しないスペース。居間の一部、子供たちの勉強部屋、ご夫婦の書斎でもあります。東面の大開口からの眺めは最高!

最下階は、図書スペースの下に生まれた空間を利用した子供たちのスペース。「穴蔵」のように落ち着く空間です。各階の段差は120cmで、子供がよじ登れる高さになっています。

建築家のプロフィール
西久保 毅人
1973年   佐賀県で生まれ、佐賀県で育つ。
1997年   明治大学大学院修士課程修了
象設計集団、アトリエハルに勤務後、
2001年   ニコ設計室を設立。
 
ニコ設計室
所在地   東京都杉並区上荻1-16-3森谷ビル5階
TEL   03-3220-9337
FAX   03-3220-9337
E-mail   nishikubo@niko-arch.com
URL   http://www.niko-arch.com/
 
 
建築家の一言
この住宅は個人のためのスペースはいりません、という白石さんの要望からスタートしました。ゆるやかに連続していて家族の気配を感じるワンルームのような空間。そんな空間がとっても似合うご家族だと感じました。そんなご家族の家だから、家を階でわけてしまうのがもったいない。階段すらつけたくない、と正直思いました。もっと、別の移動手段はないか、、、、と考えた時、白石家の子供達の顔が浮かびました。
「そうだ、よじ登れ!子供達!」 白石家5人家族にご提案したのは、3人のこども達がよじ登れる高さに設定した床が立体的に連続する空間です。そしていろんな雰囲気の場所を作りました。
薄暗くて狭い場所、見晴らしがよい場所、本のある場所、たべものがある場所、、、、、、。
その時々の、いとなみそのものが、「家」を形作ってゆくよう、、、、。
そして、よじ登れ!子供達!というエールを込めて。
 
渡辺篤史の感想
どの場所にいても寛げる、開放的なスキップフロアの建物です。そして、その中に唯一設けられた穴蔵のような場所が子供部屋ですが、そこから半階ずつを飛び跳ねるように駆け上がれます。子供たちには楽しくて堪らない遊び場のような建物です。
自転車やアウトドア用品など沢山の道具が納められた広い土間に象徴されるように、たいへん多趣味なご家族がお住まいです。建物を十二分に味わっている、使い倒しているという印象。正に、このご家族にピッタリの素敵な家だと思います。