放送したお宅
2008年3月23日(日)放送
東京都杉並区・川瀬邸
− 竹を眺める和の暮らし 水墨画の世界8坪の家 −

2006年12月完成

敷地面積 53平米 (16坪)
建築面積 26平米 (8坪)
延床面積 89平米 (27坪)
木造 一部RC造
建築費:1977万円
坪単価:73万円



奥さんの趣味である書道をイメージした墨色の外観。飾り窓が道行く人を楽しませてくれます。

光を通すように設計された6mの螺旋階段が迎えてくれる玄関。

2階はダイニング、キッチンと和室。竹が、デッキ、室内から眺められます。障子には工事用のネットシート。透ける事によって建坪8坪とは思えない広がりをみせます。

パンを作るための作業台が欲しかったと言うキッチン。あつあつのフランスパンが楽しめます。

奥さんが書道をする為に作られた和室。竹がまるで水墨画のように透けます。タタミの下は3畳分の収納。

螺旋階段上のトップライトを感じながら寝室へ。わずか3畳半とコンパクトですが、服を収納するクローゼットはたっぷりです。

1階には、水回り。竹を眺めながら入る設計です。風呂をガラスで仕切る為、まるで露天風呂のような広がりを感じます。

地下室はオーディオルーム。ドライエリアに植えられた竹を楽しみながら、趣味のオーディオを堪能できる空間です。

建築家のプロフィール
杉浦 伝宗
1952年   愛知県半田市 生まれ
1974年   東京理科大学 理工学部 建築学科 卒業
1974年〜1983年   大高建築設計事務所
1983年   (株)アーツ&クラフツ建築研究所  設立
1992年〜1999年   日本大学 生産工学部 非常勤講師
2002年〜   東京理科大学 理工学部 非常勤講師  現在に至る
2005年〜   工学院大学 非常勤講師   現在に至る
 
株式会社 アーツ&クラフツ建築研究所
所在地   〒107-0061東京都港区北青山2-12-23 Uビル302
TEL   03-3402-5315
FAX   03-3402-5316
E-mail   arts-crafts@alpha.ocn.ne.jp
URL   http://www.arts-crafts.jp
 
 
建築家の一言
三方を住宅に囲まれた密集住宅地に位置する狭小敷地のため、広く快適に住まうための抜ける透ける兼ねるの狭小三原則をうまく使いながら設計した。ご主人のオーディオや奥さまの書道の趣味を活かすために、地下にはオーディオルームを、LDKの脇に3畳の和室配置した。
また「静寂の間」と名付けられた、地下のドライエリアに生えた竹を囲むようにプランが作られていて、どの階にいても違った表情の竹を背景に開放的な空間ができた。この竹のスペースと、透けるエキスパンドメタルの階段室の上に設けられたトップライトから、光を地下室をはじめ各階に落とし明るさを確保した。バスタイムを楽しみたいとの施主の希望から、浴室には竹スペースに面して大きく開口を開け、バルコニーを作ったことでプライバシーが確保された露天風呂気分を味わえる。奥様の書道から影響を受け、全体に和の雰囲気をだした。
 
渡辺篤史の感想
土地が16坪で建築面積がわずか8坪です。述べ床面積が30坪弱の建物なんですけれども、コンパクトながらもバランスが取れていて、使いやすく、どこかこの建物自体に励まされているような感じがします。地階、ご主人趣味室のドライエリアに3本の竹が植えてあります。その竹を1階の浴室、2階の和室から眺めることで自然を感じられ極上の生活実感を得られる、そんなことが言えるのではないでしょうか。