放送したお宅
2008年1月20日(日)放送
千葉県市川市・田中嶋邸
− いつも愛車とワインを ガレージがリビングの家 −

2007年5月完成

敷地面積 86平米 (26坪)
建築面積 52平米 (16坪)
延床面積 96平米 (29坪)
鉄筋コンクリート造
建築費:2900万円
坪単価:100万円



コンクリートに色を塗った外壁。シャープな印象の外観です。

玄関はガレージ。アルファロメオが迎えてくれます。3.8mの天井には透明な階段、3面に切れ込んだスリット窓が明るい空間を作り出します。

リビングもガレージと一体化。毎日食事をしながら愛車を眺められる設計です。ガラスの間仕切りを開放することもできます。

隠せるようにと扉で仕切られたキッチン。天井は光を取り入れるためにガラスで作られています。

2階は予備室。ここからも愛車が眺められます。外部がコンクリートの壁、室内がガラスで仕切られている為、プライバシーは保ちつつ、広がりも感じられる空間です。

キッチンの上部にあたる、ガラスの床の水まわり。浴室もガラスでテラスと繋がる事により、透明感と開放感を味わえます。

透明の階段を上ると、寝室と書斎。ここからは、半階上の屋上テラスが見渡せます。書斎はカフェのようにと希望した奥さんのこだわりの空間です。

コンクリートの壁が、プライバシーを保つように設計された屋上テラス。ここからも、愛車が眺められます。

建築家のプロフィール
布施 茂
1960年   千葉県生まれ
1984年   武蔵野美術大学造形学部建築学科卒業
1984年   東京工業大学工学部建築学科坂本研究室
1985年   株式会社第一工房入社
1996年   株式会社第一工房設計部長
2003年   一級建築士事務所fuse-atelier 設立
2004年   武蔵野美術大学造形学部建築学科助教授
2006年   武蔵野美術大学造形学部建築学科教授
 
一級建築士事務所fuse-atelier
連絡先   千葉市美浜区幕張西6-19-6
TEL   043-296-1828
FAX   043-296-1829
E-mail   fuse@fuse-a.com
URL   http://www.fuse-a.com/
 
武蔵野美術大学造形学部建築学科fuse-studio
連絡先   東京都小平市1-736
TEL   042-342-6067
FAX   042-344-1599
E-mail   fuse@musabi.ac.jp
URL   http://studio.fuse-a.com/
 
建築家の一言
田中嶋さんは、愛車の「アルファロメオ」をこよなく愛する方です。そのクライアントが望んだことは、居住スペースと愛車を一体化し、住宅のどこにいてもそれを眺めながら暮らせるショールームのような空間が欲しいということでした。そこで、居住空間と車をどのように関係付けるかという主題に対して、ガレージスペースを車の展示ギャラリーとして取り込み、いかに車が美しく眺められるかということを検討し、自然光と空間ヴォリュームを最大限に確保することを考えました。 約4mの高さを確保したガレージリビングは、ギャラリーでありエントランスホールでもあり、室内であり半屋外でもあるような空間としました。スラブのズレは、建物のどこからでもガレージリビングへの視線を通し、各スペースを緩やかに分節しながらそれぞれの空間を視覚的に補完する断面構成を可能としました。
このプロジェクトは、田中嶋さんにご理解を頂き、fuse-atelierと武蔵野美術大学建築学科fuse-studioによって基本設計が行われました。これによって基本設計のスタディを十分に行うと同時に、学生にとっても貴重な経験になったと思います。
 
渡辺篤史の感想
非常に画になるコンクリート打ち放しの堅牢な建物です。ともすれば壁が多いと圧迫感が感じられてしまうところですが、ガラスを使うことで「抜け」があります。この「抜け」が軽快感を生み出しているんですね。何よりもどこからでも愛車を眺めることができるという考え抜かれた設計。建物づくりの面白さがたくさんつまったお宅です。