放送したお宅
2007年12月23日(日)放送
神奈川県横浜市・藤倉邸
- 桐の床 白洲の壁 自然素材の健康住宅 −
2007年3月完成
敷地面積 154平米 (46坪)
建築面積 61平米 (19坪)
延床面積 119平米 (36坪)
木造
建築費:3000万円
坪単価:83万円



郊外の住宅街に立つ藤倉邸。庭には芝生、オリーブや青ダモなど、鮮やかな緑が印象的。夜景も美しいです。

眺めの良い玄関。高台という立地を生かした全面開口。廊下には、照明が埋め込まれています。

自然素材にこだわった2階、LDKの天井は、構造材でもある米松。調湿効果に優れるシラス壁。床材の桐は足ざわりサラサラ。気持ちの良い空間です。

大開口のリビング。晴れた日には富士山まで見渡せます。バルコニーには、芝生が植えられています。

奥さんこだわりの見えないキッチン。手元が見えない設計です。木目が美しい収納はオーダーメイド。 たっぷり入ります。

生活の場をリビングと考える藤倉邸では、キッチンの横に納戸をつくりました。着替えや、かばんなど生活に使うものを中心に収納しています。 予備室は現在、猫キララの部屋です。

1階、玄関の隣には、ステンレスの洗面が美しい水まわり。浴室は、庭と一体化。 開放感が味わえます。

将来は2部屋に分けられるように作られた子ども部屋。寝室は壁、天井までシラス壁。 眠るのには最高の空間です。

建築家のプロフィール
森清敏 + 川村奈津子
森清敏
1968年   静岡県生まれ
1992年   東京理科大学理工学部建築学科卒業
1994年   同大学院修士課程修了
1994〜2003年   大成建設株式会社設計本部
2003年〜   MDS一級建築士事務所共同主宰
2006年〜   日本大学非常勤講師
 
川村奈津子
1970年   神奈川県生まれ
1994年   京都工芸繊維大学工芸学部造形工学科卒業
1994〜2002年   大成建設株式会社設計本部
2002年   MDS一級建築士事務所設立
 
受賞歴
2003年   グッドデザイン賞
2004年   インテリアプランニング賞木質建築空間 デザインコンテストAmerican Wood Design Awards
2005年   東京建築賞
2006年   JID 賞
2007年   TEPCO快適住宅コンテスト
 
MDS一級建築士事務所
連絡先   〒151-0053
東京都渋谷区代々木5-8-6-502
TEL   03-3465-6648
FAX   03-5941-8590
E-mail   info@mds-arch.com
URL   http://www.mds-arch.com
 
建築家の一言
起伏の多い多摩丘陵を走る田園都市線。藤倉さんのお宅は、その沿線の山林を切り開き、宅地造成された土地にあります。雛壇状に宅地造成された敷地の特徴として、周辺の土地の高さから遠景の山並みの眺望は将来も確保されること、前面道路から1層分以上高いレベルに敷地の地盤面があるため、前面道路からのプライバシーはほぼ確保されるということの2点が挙げられます。これらを踏まえ、眺望を楽しむために2階をリビングとし、ファサードは藤倉さんが希望された大開口としました。前面道路から見上げると大開口越しに広い天井面が見え、それがファサードの多くを占めるため、天井のデザインがとても重要となってきます。そこで、屋根に木を連結させて固めた盤をのせることで、木造における大開口を構造的に可能にしつつ、木の断熱効果を伴った美しい天井面をつくりました。夜になると天井の凹凸面がなめるように照らしだされ、街に対しても美しい表情を見せます。照明計画は、以前放送された坂元邸と同様、戸恒浩人氏によるものです。
 
渡辺篤史の感想
天井に米松、床に桐、階段に杉、壁は白洲壁など自然素材を適材適所に使っていてとても気持ちが良いです。建築では『美・要・強=丈夫で・使いやすく・美しく』が大事とされていますが、見事に+アルファされていますね。また周りの植栽も良い感じで、リビング大開口からの眺めは筆舌に尽し難しなんて言葉が浮かびます。この器の中で家族4人仲良く暮らしている。まさに凛々しいという言葉がぴったりの兄弟2人にとって相応しい建物、そんな感じが致します。