今週のお宅
2007年11月11日(日)放送
神奈川県東横浜市・三木邸
- 緑と風につつまれて・・・ 人が集うサロンのある家 -
2004年12月完成
敷地面積 149平米 (45坪)
建築面積 60平米 (18坪)
延床面積 116平米 (35坪)
木造
建築費:2550万円
坪単価:73万円



約5メートルの高さを持つ擁壁上の敷地。植栽が塀の外まであふれるように育っています。

玄関を入ると約8メートルの高さを持つ吹き抜けの土間空間。来訪者を自然に2階へと導くような階段が印象的です。

2階は、人が大勢集まれるサロン。編み物教室にも使われています。中心に立つ樹木を思わせる形の柱がシンボルです。

大きな本棚やミシンを納めた作業台などは、ご主人が経営する家具工房によるオリジナル品です。

冬は大きな南面の窓から日差しを取り込んで暖かく。夏は庇やトレリスの植物で日差しを制限し、4方の窓で風通しを良くして涼しく暮らします。

1階は家族の居住スペース。LDKと寝室の間は障子で仕切れますが、通常は開けっ放しで広々と使います。

2階までの大きなトレリスに絡む藤と葡萄の葉が夏は日除けになります。冬は葉が落ちて、日差しを室内に届かせます。

土間を通らないと行けない和室は離れ家感覚。格子戸を通して庭の植栽を楽しめます。

建築家のプロフィール
小玉祐一郎/エステック計画研究所
東京工業大学卒業?同大学助手を経て建設省建築研究所へ。居住環境室長、第五研究部長を歴任。神戸芸術工科大学教授?工学博士/一級建築士。大澤良二とエステック計画研究所主宰。太陽や自然風を利用するパッシブデザインや環境共生建築の設計が得意。
 
エステック計画研究所
連絡先   東京都新宿区四谷1-13-15-809
TEL   03-5362-7506
FAX   03-5362-2953
E-mail   kodama@estec.jp
URL   http://www.estec.jp/
 
建築家の一言
起伏の多い地形には眺望を楽しめるという大きな利点がある。太陽の光や空気もたくさん入る。このような敷地のポテンシャルを活用して、さらに自然の光や熱や風を利用して快適に住めるーこれがこの住宅の特徴。眺望のよい住宅は、遠くからもよく見えるということだから景観にも十分配慮。建物壁面を覆うトレリスも立体的な緑化に一役。
手芸のアトリエとギャラリーを兼ねた2階の大きなスペースからは広い眺望が、1階にある居住部分からは、プライベートな庭の身近な緑が楽しめる。
玄関の土間部分は大黒柱を中心にして吹き抜けにし、居間の延長としてアトリエがあるようにした。玄関と食堂・居間の間には障子をはめ、これを開け放てば、1階と2階はひとつの空間として感じ、また使用することができる。さまざまな空間の使い方が楽しめる。
 
渡辺篤史の感想
高台の敷地。遠くまで見渡せる大開口が良いですね。その開口部を囲むように設置された花台とトレリスは緑の壁です。見た目も良いですが実用的でもあります。夏には強い日差しを遮って涼しく、冬には葉が落ちて日差しを室内に取り入れて暖かく過ごせます。庭にも様々な花が咲き乱れていて、本当にたくさんの植物に囲まれる生活です。2階サロンの中央に立つ樹木のような柱のデザインと相まって、有機的な印象のある、やさしい建物です。