放送したお宅
2007年10月28日(日)放送
神奈川県東横浜市・曽我部邸
- 「旗竿形」「三角」「北斜面」 アートと暮らす家 −
2006年10月完成
敷地面積 121平米 (37坪)
建築面積 54平米 (16坪)
延床面積 134平米 (41坪)
主体構造・木造一部鉄骨造 基礎・羽根付鋼管杭
建築費:3610万円
坪単価:89万円



北斜面、旗竿型、3角形という難しい敷地。南面の道路側からはほとんどその姿が見えません。北側に回ってやっと全体が見えます。

玄関から半階上がった位置にあるダイニング。壁面を飾るのは“成長する”絵画。アーティスト浅井裕介さんの作品です。

“照明された”景色を楽しむための北面の大開口。お風呂からも景色を楽しめるような角度に浴槽を配置しています。

3人家族には大き過ぎるダイニングテーブル。ご主人が大学の先生なので、学生さんたちが集まれるよう配慮したものです。

やはり北側の景色を楽しみつつ料理できるキッチン。カウンターに床用大理石を張ったので、ラフな使い方にも堪えます。

ダイニングからさらに半階上がった位置のリビング。北面の風景を楽しむには最高のポイントです。

屋上テラスはビールが美味しく飲めそうな場所。玄関から半階下りた個室前の廊下の壁は黒板塗装で、ここにも“アート”が。

1階はオープンな寝室と予備室。ここでも“成長する”絵画が見られます。用途を決めない曖昧な空間が、空間によとりをもたらします。

建築家のプロフィール
曽我部昌史+丸山美紀
曽我部昌史
1962年   福岡県生まれ。
1988年   東京工業大学大学院修了。
1988〜94年   伊東豊雄建築設計事務所。
1994〜95年   東京工業大学建築計画第二講座助手。
1995年   みかんぐみ共同設立。
2001〜06年   東京芸術大学助教授。
    現在、神奈川大学教授
丸山美紀
1973年   長野県生まれ。
1998年   東京工業大学卒業。
2000年   同大学大学院修了
2000?03年   みかんぐみ
2004年   新田有平とマチデザイン設立
 
曽我部昌史
神奈川大学工学部建築学科
連絡先   神奈川県横浜市神奈川区六角橋3-27-1
TEL   045-481-5661 内線3450
FAX   なし
E-mail   ponkan@mikan.co.jp
URL   http://www.arch.kanagawa-u.ac.jp/~sogabe
 
丸山美紀
一級建築士事務所マチデザイン
連絡先   神奈川県横浜市神奈川区片倉1-30-38-310
TEL   045-481-8175
FAX   045-481-8175
E-mail   info@matidesign.net
URL   http://matidesign.net
 
建築家の一言

自分の家を自分で設計するっていうのは、たぶん、一生に一度の体験です。まずは、見晴らしの良い、北斜面地を探すところからはじめました。見つかった土地は、三角形の変形地で(しかも一番長い辺は内側に湾曲している)、しかもひどい傾斜地で、さらには車二台停めてもまだあまる長い旗竿部分までついているというものでした。丸山さんとの共同設計ですが、このとんでもない条件の土地を、心地の良い内部空間に変換するのは、大変でありながらも楽しい作業でした。(曽我部)

緑地に面した急斜面という敷地条件から得られる眺望とダイナミックな高低差を十分に活かすことを考えながら設計をしました。敷地の傾斜と境界線に沿わせながら、吹き抜けを中心としたらせん状の床を配置しています。緑が手に届くほど近い最下階の予備室から、冬には富士山も見える屋上テラスまで、様々なレベルの空間がひとつながりになっています。季節ごと、時間ごとに変化する外の景色や差し込む光を、家のどこにいても味わうことの出来る住宅になっています。(丸山)

 
渡辺篤史の感想
旗竿型で旗の部分が3角形、さらに高低差がある敷地。ゆえに高台から里山を見下ろす絶景の敷地でもあります。設計家にとって挑戦しがいがあったと思います。
土地探しから設計・施工まで含め4年以上もかかったそうですが、このプロセスも楽しまれたのではないでしょうか。ここで育つ息子さんも、感性豊かに成長しそうですね。