放送したお宅
2007年10月21日(日)放送
東京都墨田区・丸山邸
こだわり素材の家シリーズ(2) 石
- 大理石の大スクリーン 石のプロが作った石の家 -
2007年6月完成
敷地面積 116平米 (36坪)
建築面積 79平米 (24坪)
延床面積 151平米 (47坪)
鉄筋コンクリート壁式構造
建築費:非公開
坪単価:非公開



約4m突き出したキャンティレバー(片持ち梁)が大迫力の外観。正面を飾る飴色のスクリーンは、ハニーオニキスという大理石の一種です。

大理石張りの床が印象的な玄関ホール。床下に埋め込んだ照明や靴の脱ぎ履きに便利な鉄板製の“イス”もすっきりと似合っています。

2階に上がると、まず目に飛び込んでくる正面の大理石スクリーン。石が光を通して輝きます。夜には逆に室内の灯りが漏れ出して、美しい色を放ちます。

リビングは、鉄筋コンクリート打ち放しの天井・壁に大理石張りの床という組み合わせ。交通量の多い通りに面しているのに、とても静かです。

IHクッキングヒーター組み込みの食卓はオリジナル。一方を壁に反対側を天井から吊る構造なので脚が無くスッキリ。

建物の西端に位置するキッチン。東端のスクリーンまで約14mの空間の広がりを感じるベストポジションです。床はもちろん石張り(黒御影)です。

3階は夫婦それぞれの個室。大きなウォークインクロゼットもあって、やはりスッキリしています。

1階奥に位置する水回り。洗面台は、やはり石(黒御影)です。バスコート付きの浴室も、街中とは思えない静謐な空間です。

建築家のプロフィール
株式会社アトリエブンク設計部 丸山 智
1970年   事務所設立
    以降、スーパードームから個人住宅まで、ジャンル・規模を問わず様々な建築を設計して参りました。
北海道の厳しい気候で培った建築技術をバックグラウンドに活動を行っています。
 
株式会社 アトリエブンク
連絡先   北海道札幌市中央区北9条西15丁目28-196 札幌ITフロントビル2F
TEL   011-623-1881
FAX   011-623-1777
E-mail   info@atelier-bnk.co.jp
URL   http://www.atelier-bnk.co.jp
 
建築家の一言

この建物は、道路側に約5.5mはね出した2階部分が特徴的です。
これは、
・この軟弱地盤地において鉄筋コンクリートの耐火建築物を計画すると、基礎形式が杭になる。
・杭自体が持っている支持力は、所定の本数を打つ事で建物全体を支える事が出来るので、建物の1階部分の面積が小さいほうが無駄な杭を打つ必要が無く、地中構造体も小さくすることが出来、コストメリットがある。つまり、目に見える部分にコストを配分出来る。
・しかし、建物が小さくなったのでは意味が無いので、当然2階から上は1階よりも大きくなる。
という条件から必然的に求められた形式です。
この形式を実現する為に、2枚の平行壁の間に床スラブを掛け渡す様な考え方を取る事で、スマートな構造的解決をしています。
また、クライアントが石工さん=masonであった事もあり、大理石のカーテンウォールをはじめとし、様々に石の使い方を研究しました。

 
渡辺篤史の感想
都市型住宅の理想の解答の1つを見せてもらった気がします。
コンクリート打ち放しのモダンな建物は、ともすれば固い印象になりますが、この家はやさしい雰囲気にあふれています。共に生活する予定だった愛犬への配慮がそうさせているのでしょう。人生には、目的のない時間というものが時々訪れます。そんな時間を心地良く過ごさせてくれる、とても居心地の良い空間でした。