放送したお宅
2007年9月23日(日)放送
東京都世田谷区・酒井邸
- コンクリートと木の調和 クリエイター家族のスキップフロア住宅 −
2006年7月完成
敷地面積 73平米 (22坪)
建築面積 39平米 (12坪)
延床面積 131平米 (40坪)
RC造 一部木造
建築費:3950万円
(設備機器含む)
坪単価:100万円



やわらかい印象の木張りの外壁。実は構造は鉄筋コンクリートで、構造体の外側に断熱材を張った「外断熱」住宅です。

スキップフロアの1.5階が玄関と主寝室。ピーコン穴を敢えてふさがず、フックを付けて利用しています。

2階は個室と水回り。ガラス張りで開放的なデザインは、視覚的な広がりと個室への採光を確保するためです。

2.5階の高さにあるダイニングキッチン。リビングと繋がっているので広がりを感じます。

リビングはもちろん、半階下の個室・水回りまで見渡せるキッチン。まさに司令塔です。

3階にあるリビング。北面斜線に合わせた斜めの天井が開放感に貢献。南面の2×2メートルの大窓が気持ち良いです。

家具はほとんどが輸入中古品だそうです。ご夫婦のセンスが感じられる部分です。テラスは約1坪。

地階は、ご主人の仕事場。家全体の構成を反映して、ここも床のレベルが半階ずれています。

建築家プロフィール
田井幹夫
1968年   東京生まれ
1990〜91年   石原計画設計
1992年   横浜国立大学工学部建設学科建築学コース卒業
1992〜93年   ベルラーヘインスティテュート・アムステルダム
1994〜99年   内藤廣建築設計事務所
1999年   アーキテクト・カフェ設立
現在、横浜国立大学工学部建設学科・東京理科大学工学部二部建築学科・
桑沢デザイン研究所非常勤講師
 
有限会社アーキテクトカフェ・田井幹夫建築設計事務所
連絡先   東京都中央区銀座3-14-8 松宏ビル501
TEL.   03-3545-4844
FAX   03-3545-4845
E-mail   a_cafe@gb3.so-net.ne.jp
 
建築家の一言
酒井さん一家は素敵なご家族でした。酒井さんご家族には独特の雰囲気があります。ご夫婦共にデザイン関係のお仕事をしている事も手伝ってか、強くは主張されないのですが、芯に持っていらっしゃるセンスの良さがそこここに現れている気がしました。最初にお持ちの家具や小物、かかっている絵などを拝見した時そう思いました。そんな素敵なご家族のために、とてもかわいらしく、その魅力を極力邪魔しない、できることならその魅力を増幅させる事のできる空間の家にしたいと思いました。
小割りの分譲地の奥にひっそりと佇む木の箱、それがこの家の外観です。その箱には内部から決定された適材適所な窓が穿たれ、楽しい雰囲気を作ります。内部はコンクリート打放しの壁、木造の屋根、木の家具から成り立ち、玄関も寝室もLDKもすべてスキップでひとつの空気で繋がります。木の色は昔からお持ちの、味のある木製のおもちゃの色に合わせられました。
竣工後訪れるたび、この家は酒井さんの素敵な雰囲気を呼吸して、どんどん魅力を増しているように思います。
 
渡辺篤史の感想

鉄筋コンクリート造ですが外観は木の家のようです。外断熱の性能と外観の温か味を両立するデザインです。
室内に入っても、壁は打ち放しなんですが、そこに無垢の木の床や引き戸が非常にマッチしています。そして、スキップフロアが空間の広がりと変化を生み、楽しい雰囲気になっているのもいいですね。
何より置かれている家具・小物に住んでいる人のセンスを感じます。ご夫婦ともにデザイン関係の仕事をされています。建築家と同じクリエイターですから、感覚的にも通じるところがあり、家作りを楽しむことができたのではないかと想像します。