2007年7月8日(日)放送
東京都世田谷区・安西邸
- 光・風・緑そして闇 2つの顔を持つ家 -
2004年11月完成
敷地面積 185平米 (56坪)
建築面積 74平米 (22坪)
延床面積 137平米 (41坪)
木造在来工法
建築費:4385万円
坪単価:105万円



アプローチの長い旗竿敷地。落葉樹の植栽が作り出す緑のトンネルをくぐって玄関へ向かいます。

クリの床板。漆喰塗りの壁。自然素材がやさしい印象の室内。ニッチになった造作ソファはご主人の居場所です。

大きな長椅子が奥さんの居場所。吹き抜けから淡い光が落ちてきます。広いウッドデッキを囲む植栽は常緑樹です。

かゆい所に手が届く親切設計のキッチンは、見た目もスッキリ。大きな作業テーブルも便利です。

2階にある水回りはヒノキと伊豆石のやさしい表情です。2年以上住んでいますがカビにも無縁だそうです。

3畳の和室は客間などに使われます。奥さんの部屋は吹き抜けを介してリビングと繋がっています。

建物の西側を占める4層構造のご主人の部屋。開口を抑えた「蔵」の中のような籠もれる空間です。

地下は工作室。2層目にある書斎部分は「カプセル」のような小さく閉じた空間。ご主人は、ここで様々な思索に耽ります。

中村 好文
1948年   千葉県生まれ。
1972年   武蔵野美術大学建築学科卒業。
1972~75年   宍道建築設計事務所勤務。
1976年   都立品川職業訓練校木工科で学ぶ。
1976~80年   吉村順三設計事務所勤務。
1981年   レミングハウス設立。
1987年   第1回吉岡賞受賞
1993年   第18回吉田五十八賞特別賞受賞
現在   日本大学生産工学部教授
    
レミングハウス
連絡先   〒156-0042
東京都世田谷区奥沢3-45-4
TEL.   03-5754-3222
FAX.   03-5754-3223
E-mail   chuchu@lemminghouse.com
 

※準備中

 
永年連れ添った夫婦と言えど、必ずしも全ての点で意見が一致している訳ではありません。お互い妥協していたら、きっと綻びができてしまう。そこで、1つの家の中に全く個性の違う2つの空間を同居させてしまいました。明と暗、陽と陰。これまでにも、夫婦それぞれの個性を生かした建物というのは拝見しましたが、ここまで極端なお宅は初めてです。
ご主人は、自ら望んだ暗い空間で過ごし、疲れると助けを求めるように明るい空間に出て来られるんだそうです。2つの全く違った空間を作ったことが、逆にご夫婦の距離を縮めて行くようです。