2007年5月27日(日)放送
千葉県安孫子市・酒井邸
− 夫婦仲良しの秘訣 ツイン書斎のある家 −
2006年9月完成
敷地面積 149平米 (45坪)
建築面積 82平米 (25坪)
延床面積 119平米 (36坪)
木造軸組工法
建築費:2330万円
坪単価:65万円



玄関ドアを入ったつもりが・・・まだ屋外。アプローチはルーバーに守られた路地空間といった趣です。シンボルツリーはシマトネリコ。

2段階で入った玄関ホール正面は“らせん風”階段を透かして西側のテラスのアオハダが見えます。階段を上がると正面には大きなウッドデッキが広がります。

2階、約18畳のLDK。充分に広いリビングですが、テラス側の折れ戸を開けば約30畳に広がる大空間が出現します。

造り付けのように見える畳コーナーやキッチンの作業台も、実は置き家具。将来の模様替えに対応できます。

業務用にも見えるシンプルなデザインのキッチンは、ご夫婦が希望された物。ここで主に腕をふるうのは、ご主人(!)だそうです。

LDKの西側は将来2つに分けることも想定した子供部屋。その下、1階には奥さんの書斎があります。テラスに面した気持ち良い場所です。

ご主人が最もお気に入りのトイレ。本に夢中になって2時間(!)入っていたこともあるそうです。寝室の奥はご主人の書斎。ここにも本がたくさん!

小さめのタイルとヒノキの壁のコントラストが美しい水まわり。約5畳のバスコート付き。玄関や奥さんの書斎から見えていたのは、ここだったんです。

鈴木恵介+牧野嶋彩子
プロフィール
鈴木恵介
1973年   埼玉県生まれ
1995年   沖縄県立芸術大学デザイン科卒業
    卒業後専門学校で建築を学び、(株)アーツ&クラフツ建築研究所、(有)佐々木善樹建築研究室に勤務
2003年   夫婦で空間計画提案室設立
 
牧野嶋彩子
1972年   千葉県生まれ
1994年   日本大学生産工学部建築工学科卒業
    卒業後(株)アーツ&クラフツ建築研究所に勤務
2003年   夫婦で空間計画提案室設立
 
(株)空間計画提案室
連絡先   〒107-0062
東京都港区南青山2-14-4 クレインコートC-1
TEL.   03-5772-2485
FAX.   03-5772-2486
URL   http://www.kookan.jp/
E-mail   teian@cilas.net
 
敷地はクルドサック状道路の端部にある旗竿敷地で東西に長く、周囲は隣家に囲まれていた為、日照的に非常に不利な条件でした。そこで建物を大きく、北棟、デッキルーバー、南棟、という川の字の3つのブロックで構成し、日照を得る為に敢えて生活空間を北棟に配置することで南に迫った隣地から離隔が取れ、十分な採光を得ています。建主ご夫婦の中で、デッキ空間を利用するという事がライフスタイルの中でとても大切な要素でした。そこで、このデッキとルーバーを家族のライフスタイルの中心と捉え、全ての諸室がこのデッキ空間に面するように配置されています。外部歩行者との視線の交錯も高さ方向で避け、存分に生活を楽しむ事が出来るようになっています。この斜めの籠状のルーバーは防犯の役割と周辺環境へのアクセントの役割、内部の生活者と外部の環境相互に作用する空間となっています。
 
酒井さんのお宅は、まずLDKの柔軟性に感心します。キッチンの作業台、テーブル、収納を兼ねた畳の置き台が可動して模様変えに対応します。さらにLDKとのあいだの折れ戸は開口部が大きく、開けばデッキスペースが一体となりリビング空間が広がります。
そして、ご夫婦それぞれの趣味を生かしているのも良いですね。ご主人が主に料理をされるのでキッチンはご主人が、浴室はお風呂が大好きな奥さんが主体となって設計者との話し合いを進めました。こうした役割分担が上手くいったことで、とても良い建物ができたんだと思います。