2007年2月11日(日)放送
東京都世田谷区・籠島邸
- 12坪なのに広い家 秘密は高低差マジック -
2006年7月完成
敷地面積 54平米(16坪)
建築面積 40平米(12坪)
延床面積 101平米(30坪)
木造3階建て(一部鉄骨造)
建築費:2700万円
坪単価:90万円



規制をクリアしつつ最大限の空間を得るためのユニークな形。意外にも木造です。

開口が大きく明るい玄関。斜めの壁が広さを演出します。

全体が開放的な家の中で唯一“籠もれる”空間です。床材は、ご主人こだわりの桐。やわらかくて気持ち良いですよ。

階段を覆う“フード”が面白いですね。内側の白色と外側の黒色のコントラストが鮮やか。

建築面積いっぱいワンルームの2階。床と天井の高さにメリハリを付けて実際の面積以上の開放感を生んでいます。

丸テーブルも空間の有効利用に効きます。階段で仕切った読書スペースも楽しい。

意外な場所にバスルームが!開放感・清潔感があります。

バスコートには屋上に上がる階段があります。最上階は子供部屋です。

山縣 洋(やまがた よう)
1985年   東京工業大学建築学科卒業
1987年   東京工業大学大学院修士課程修了
1987年   株式会社 竹中工務店入社
1994-1996年   オランダの建築家レム・コールハースの事務所OMAに勤務
2002年   山縣洋建築設計事務所設立
現在   明治大学、都立品川技術専門校にて非常勤講師
 
山縣洋建築設計事務所
連絡先   〒214-0034
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約16坪の土地に建つご夫婦と元気なお子さんの3人家族のための住まいです。なるべく大きな建物のボリュームを確保する一方で、建物の足元をすぼめることによってできた空きスペースに植栽をすることで、通りにささやかな緑をおすそ分けしています。1階には駐車場と玄関、寝室を配して、主な生活の場は2階のワンルームです。2階は床に段差をつけることに加え、トップライトや坪庭などから特徴の異なる4つの光を取り入れています。床の段差と光の効果が協調してリズムのある空間が生まれるように計画しました。3階はもうひとつの寝室、空を見上げながら入浴できるバスルームがあります。バスルームとつながったテラスにあるトンネルのような屋外階段を抜けると眺めが開ける屋上テラスに至ります。建物全体を巡ると、ちいさくてシンプルながらも多様な空間がつまっていることを感じることができると思います。
 
敷地16坪。シンプルな外観。しかし、室内に入るとその開放感にとても豊かな気持ちになります。非常にユニークな形状ですから、完成までどんな空間が生まれるのか想像がつかなかったのではないでしょうか。建て主はもちろん、つくり手側もワクワクしながら建てたに違いない。そんな大胆かつ繊細な設計だと思います。