2007年2月4日(日)放送
東京都渋谷区・松宮邸
− 開いて閉じる光の箱 室内テラスのある家 −
2006年6月完成
敷地面積 102平米(31坪)
建築面積 61平米(18坪)
延床面積 109平米(33坪)
木造在来工法
建築費:2790万円
坪単価:85万円



祖父の土地を受け継いだという松宮邸。 昔のまま石垣を残しています。

画家である奥さんの大判の絵を運び出せるようにと両開きの玄関。グレーチングからの光が差し込む明るい空間です。

玄関の先には、奥さんのアトリエ。折れ戸が全開できることで、大空間にはや変わり。

モザイクタイルの水まわり。体の大きなご主人にあわせた大きな浴槽が気持ちよさそうです。

2階は、階段をはさんでキッチンとワークスペース。ステンレスの天板がお洒落なキッチンです。

キッチンから見えるのはご主人のワークスペース。 小さいながらも快適な空間です。

松宮邸の中央の空間は、"室内テラス" 南北のジャロジ―窓とフロアを仕切るグレーチングが、室内とは思えない開放感を演出します。

折れ戸の先には、リビング。 室内テラスの折れ戸を開放するとおよそ30畳の大空間。

納谷 学 + 納谷 新
納谷 学
1961年   秋田県生まれ
1985年   芝浦工業大学卒業
1985年   黒川雅之建築設計事務所
1993年   納谷建築設計事務所設立
1987〜1988年   野沢正光建築工房
2005年〜   昭和女子大学非常勤講師
 
納谷 新
1966年   秋田県生まれ
1991年   芝浦工業大学卒業
1991〜1993年   山本理顕設計工場
1993年   納谷建築設計事務所設立
2005年〜   昭和女子大学非常勤講師
    東海大学非常勤講師
 
納谷建築設計事務所
連絡先   〒211-0002
神奈川県川崎市中原区上丸子山王町2ー1376ー1F
TEL   (044)-411-7934
FAX   (044)-411-7935
E-mail   kawasaki@naya1993.com
 
 敷地は西、南側とを道路に囲まれた角地であり、緩い坂を上がりきった場所である。
道路を挟んで西側にグラウンドがあり、敷地は道路より1m程高いが、日中の車や人通りは多いので、プライバシーを守る住環境を整える必要がある。
そこで、二層分のヴォイド状のスペースを用意し、生活スペースで挟み込むように、平面を構成した。
  このスペースは南北をくもりガラスとし、接するスペースへ採光と通風を届ける役割を持つ。2階は透過性のある折戸で、開いた場合は広いワンルームとなり、冬場にリビングダイニングの暖かさを優先して閉じた場合も、やわらかな光は確保できる。1階のアトリエに面した折戸はポリ合板であり、絵画の創作時に自然光をシャットアウトする。 洗面室も透過性のある建具、玄関もヴォイド状のスペースに接していることで、どの居室にも採光、通風を届けている。
  このように都市における住宅の環境調整のため、このシンプルな構成がひとつの解答となっている。
 
木造で一部がキャンティレバーの松宮邸。1階は奥さんのアトリエと水回り。2階は室内テラスを中心に、折れ戸の開閉によって、自由自在に空間を変化させることができます。吹き抜けになっている居間・食堂スペースには高窓から色々な光が入り、さらに空間の変化を楽しめます。家具・インテリアも洗練されていて、まさに『見巧者が建てた家』といえるのではないでしょうか。