2007年1月28日(日)放送
東京都品川区・蓮沼邸
− 超旗竿敷地を楽しむ 光と影のハーモニー −
2006年5月完成
敷地面積 90平米(27坪)
建築面積 44平米(13坪)
延床面積 111平米(34坪)
木造軸組在来工法2階建て(一部地下1階)
建築費:2860万円
坪単価:85万円



13bのアプローチを持つ“超”旗竿形の敷地です。玄関は“竿”部分に突き出しているため“超”スリム!

玄関を入ると階段で2階へ導かれます。金属製の筋交いがリズミカルで楽しい印象です。

玄関から進んだ奥(南面)に第2の階段室。周囲を囲まれた敷地にあって、家中に光を行き渡らせる工夫です。そのため2階部分の床は透明アクリル。

コックピットのように囲われたキッチン。対面式でありながらリビング側からの見た目をスッキリさせます。

白一色のリビングは李朝家具や英国アンティークも許容するニュートラルな空間。光と影が作り出す表情が美しい!

階段室との間の壁の窓は外壁の窓と互い違いのためカーテン要らず。地中海の家並みにも見えますね。

寝室と接した階段下には書斎。必要にして十分なスペースが確保されています。

明るい浴室。隣接するトイレとの間も大きな曇りガラスとして採光を確保しています。予備室も白い空間。

石川 淳
1966年   神奈川県湘南地方生まれ
1985年   神奈川県立鎌倉高校卒業
1987年   建築模型屋
1990年   東京理科大学工学部二部建築学科卒業
1990年   建築家早川邦彦氏に従事
1993年   インターデザインアソシエイツに参加
2002年   石川淳建築設計事務所設立
 
石川淳建築設計事務所
TEL   03-3950-0351
FAX   03-3950-0351
E-mail   jun-i-ar@sa2.so-net.ne.jp
 
敷地は小さな旗竿敷地で、高さ制限も厳しい場所でした。しかしその中で豊かな空間体験ができるように計画しています。特徴的な黒い階段は、2階リビングの天窓の光を地下室や各部屋に導いています。今は若いお二人だけの住まいですが、いずれお子さんが生まれるでしょう。その時には家族がどこにいても、同じ光や同じ空気を感じられる楽しい生活ができるような家になったと思います。
 
13mのアプローチを持つ旗竿形、四方を建物に囲まれるという難しい敷地条件をうまく克服し、ここまで豊かな建物になったのは、建築家のセンスと建主の情熱ではないでしょうか。
2階から地下室まで全室に自然光を届ける階段室。台所に立つ奥さんの姿を絵のように切り取る小窓。とろけてしまいそうな美しい空間でした。
また、寝室の床に奥さんのお父さんから贈られたケヤキを張ったというのも、親子の固い絆を感じさせてくれて良いですね。