2006年10月29日(日)放送
東京都杉並区・長島邸
- それでも広く感じる 部屋数の多い都市住宅 -
2005年7月完成
敷地面積 105平米(32坪)
建築面積 57平米(17坪)
延床面積 112平米(34坪)
木造
建築費:3200万円
坪単価:77万円



外壁やアプローチと同じ仕上げで、外とも中ともつかない不思議な路地空間。お風呂はヒバです。

よく遊びに来るご両親のための和室。引き戸を閉めると、部屋自体が消えてしまったようになります。

小上がり風のリビング。床材のカリンの色合いが温かみを感じます。キッチンも相当に吟味されたそうで、この空間に似合っています。

オリジナルのガラスと鉄の食卓がおしゃれ。プロジェクターを直接壁に映写することもできます。

2階は一転して絨毯敷き。紫色がモノトーンの壁にもマッチしています。くつろげる第2のリビングです。

将来の子供部屋。ご主人のコレクションであるプラスチック家具も似合います。

ライターであるご主人の仕事部屋。ストイックな仕上げで、仕事に集中できそう。ここにもコレクションが。

階段の先に突如現れる屋上テラス。空だけを切り取る形状なのでリラックスできます。

滝口 聡司(たきぐち さとし)
1973年   東京都生まれ
1997年   明治大学理工学部建築学科卒業
1997年   アパートメント設立
2001年   有限会社アパートメント設立
 
有限会社アパートメント
住所   〒180-0004 東京都武蔵野市吉祥寺本町1-36-12-103
TEL   0422-22-7154
FAX   0422-22-7145
E-mail   info@apartment.gr.jp
 
旗竿状の敷地に建つ住宅です。
四周を隣地の外壁に囲まれているこの場所に、面積では計ることのできない広がりのある豊かな空間を生み出すことを意図しました。
それぞれの居室を閉じられた箱とせず、常に次の場所への「つづき」を感じさせることを意識して設計しています。床のレベル差や仕上げの違い、家具的に配置された壁、変化に富んだ天井高などが領域を緩やかにつなぎ、小さな住宅の中に色々な居場所を生み出しています。
 
これまでたくさんの建物を取材してきましたが、どちらのお宅にも必ず、その家の“目玉”と言いますか“突出”した場所があります。ところが、こちらの建物は旗竿敷地のアプローチから屋上テラスに至るまで流れるような印象です。細かい部分まで丁寧にデザインされていて、全てが“目玉”。良い意味で“突出”した部分が無いのです。
日常生活の中で、家のどこにいてもエネルギーがもらえるような印象。ご夫婦、時々遊びに来るご両親、将来生まれてくる子ども達のことまで考えられた素敵な建物でした。