2006年9月17日(日)放送
東京都日野市・逸見邸
- パンと絵画と洋裁と 我が家はアトリエ空間 -
2005年6月完成
敷地面積
99平米(30坪)
建築面積
57平米(17坪)
延床面積
106平米(32坪)
鉄骨造(1階)+木造(2、3階)
建築費:2615万円
坪単価:82万円



駐車スペースは、ベランダを生かしたひさしがあることで、多目的スペースとして使えます。逸見さんのお父さんの作品の彫刻が彩りをそえています。

駐車スペースの奥にあたる土間は、ご主人のアトリエ。趣味であるバイクのレストアをはじめ、何でもできる多目的スペースです。

2Fは高さ5mの吹き抜けが気持ちいい大空間。"父のアトリエのような家を作りたかった"というご主人は、とことんシンプルな作りにこだわりました。 ご主人の油絵が生える空間です。

パン作りが大好きという奥さんのキッチンでは、近所の奥さんを呼んでパン作り大会も。子供が走り回っても安心、目の行き届く空間です。


階段の上下は、趣味の空間。下は奥さんが洋裁を楽しむワークスペース。 上は子供たちの遊び心をくすぐる秘密基地のような空間です。


階段を上って正面は和室。4畳半ながらもご主人たっての希望で作ったゴロゴロできる空間です。

大開口を見下ろすワークスペースは、家族が並んで作業できます。

和室と収納で仕切られた寝室。春奈ちゃんと銀治郎くんは仲良く2段ベッドで寝ています。

難波和彦(なんばかずひこ)
 
1947年   大阪生まれ
1969年   東京大学建築学科 卒業
1974年   同大学院博士課程 修了
1977年   一級建築士事務所 界工作舎 設立
1996年   一級建築士事務所 株式会社 難波和彦+界工作舎 代表取締役
東京大学建築学科 早稲田大学建築学科 東京工業大学建築学科 講師
大阪市立大学建築学科教授
2003年9月より   東京大学大学院 工学系研究科 建築学専攻 教授
   
 
受賞歴
1989年   JRお茶の水駅プロポーザルコンペ佳作
1992年   川口都市デザイン賞、グッドインテリアデザイン賞
1995年   新建築吉岡賞、住宅建築賞、東京建築賞、「健康な住まい」コンテスト優秀賞
1996年   国立国会図書館関西館コンペ優秀賞
1998年   住宅建築賞
1999年   東京ガス「あたたかな住空間デザインコンペ」最優秀賞
2000年   TEPCO「快適住宅コンテスト」優秀賞
2004年   JIA環境建築賞
     
難波和彦+界工作舎
連絡先   〒150-0001 東京都渋谷区神宮前3-16-10
TEL   03-3478-5579
FAX   03-3478-5686
E-mail   kai@kai-workshop.com
 
土地区画整理事業により新しく区画された敷地は、東南が道路に面しています。駐車スペースを確保するために1階を鉄骨造として人工地盤を形成し、その上に木造のコンパクトな住居をのせました。1階にはご要望の土間と納戸を設けました。
2階の居間はテラスから多摩丘陵を望むことが出来ます。吹き抜けを介してつながる3階は、寝室と来客用の和室を配置しています。
デスクやアルコブを吹き抜け廻りに分散することで、子どもたちの気配をどこにいても感じられる空間になりました。
壁は外断熱のサンドイッチパネルをアラワシとし、柱や梁とともに自然塗料で薄く白初めしています。素材の主張を抑え、生活の背景となる様に考えました。
蓄熱式の床暖房や断熱サッシを採用することで建物全体の熱性能を高めています。
 
逸見邸は、難波和彦さんの箱の家シリーズ104軒目です。、当番組では、何軒か取材させてもらっていて、その都度思うのは、日本のごく平均的な庶民の為の住文化を良くしたい、というのがテーマになっているように感じます。
いずれにしても同じシチュエーションのような感じですが、住み手によって表情が随分と変わりますよね。
ご主人が美術を愛したお父さんのアトリエのような建物を建てたいということで、この広い空間ができました。そこで奥さんも色んな趣味をなされる。それを見て幼い子ども達が成長していき、大らかなそして感性を持った豊かな大人になる、そんな気がいたします。