2006年7月30日(日)放送
東京都江東区・髙島邸
- 天窓から降る光 大通りに面した静かな家 -
2005年9月完成
敷地面積          94平米(28坪)
建築面積         78平米(24坪)
延床面積        198平米(60坪)
鉄骨造
建築費:4800万円    坪単価:80万円



交通量の多い通りに面しているため、プライバシーを守るため前面を半透明のガラス波板で覆いました。音を遮る効果もありそうです。

1階は玄関とガレージ。土間の脇のベンチは靴の脱ぎ履き時に便利です。

前面のガラス波板を通った明かりと天窓からの明かりとで想像以上に明るいリビング。奥行きがあるので広々と感じます。

階段室を通した天窓の明かりと手元の照明でとても明るく作業しやすいキッチン。


台所の食品庫は回遊できるので使い勝手抜群。洗面所のドレッサーは劇場やスタジオの楽屋のようです。


リビングの延長のようなデッキ。前面ガラスのおかげで街中とは思えない落ち着いた空間になっています。

3方に建物が迫った敷地を目一杯利用するため、まず工場で組んだ枠を両脇に立て、橋を渡すように骨組を作りました。

引き戸を開くとワンルームになる3階。階段上のカウンターデスクで仲良く並んで勉強。白い壁は巨大スクリーンにもなります。

金子 勉
1972年   新潟県生まれ
1995年   千葉大学工学部建築学科卒業
1996年   建設会社勤務 現場監督を経て
1997年   金子勉建築設計事務所 設立
 
主な受賞
    2001グッドデザイン賞 受賞
 
金子勉建築設計事務所
連絡先   〒162-0852 東京都新宿区南榎町44-7
TEL&FAX   03-3260-2963
E-mail   design-studio.kaneko@nifty.com
HP   http://homepage3.nifty.com/kaa/
 
間口5m、奥行き18mという細長い敷地いっぱいに建つ住宅です。3方向を隣家に囲まれ、唯一開けた南側は交通量の多い幹線道路に面しています。このような閉鎖的な敷地環境において、積極的に外部に開き、光や風を取り入れる方法は無いかと考えました。そこで南面に半透明ガラスのスクリーンとコートを設け、緩衝空間とする方法を採用しました。
これにより南側の光を取り入れつつ、外部の騒音や視線を遮ることができ、内部空間を大きな窓で開放することが可能となりました。
また奥行きの長い建物であるため、南側採光だけでは室内奥まで明るさを行き届かせることは難しく、建物中央にトップライトを設けた吹抜けを配置することで、下階まで安定した明るさを確保しました。南側のガラスには木々の影や通過する車のライトが映り、トップライトからは刻々と変化する陽の光や雲の影が見えます。外的要素をただ遮断するのでは無く、選択し変換して内部へ取入れることで、より広がりのある内部環境が実現できました。
 
28坪の敷地に家族6人が住まう建物です。敷地いっぱいに建てるということで、工場で予め加工した鉄骨の枠を左右に立ててからスペース作りをしました。その結果、室内には柱がなく自由度があります。2階はLDKとデッキ、3階の個室は引き戸を開けるとワンルームになる広々とした空間になりました。ここで子供たちがのびのびと育っていくことでしょうね。