2006年7月23日(日)放送
千葉県船橋市・石川邸
− すっきり暮らす 浮かぶ壁収納 −
2005年4月完成
敷地面積       155平米(47坪)
建築面積         61平米(18坪)
延床面積        119平米(36坪)
1階鉄骨造 2階木造在来工法
建築費:2780万円    坪単価:77万円



まるで、宙に浮いているかのような外観。通りの色に合わせたという、赤い色が印象的です。

1階は、およそ30畳、正方形の大空間。キッチン、ダイニングが、上手く配置されています。上下の窓が、空間に広がりを持たせています。

まるで、浮かぶ壁のような収納は、扉51枚。驚きの収納力です。他にも勝手口のついた納戸など、工夫の効いた収納が、物のないすっきりとした空間を実現します。

部屋の中央に位置するキッチンは、玄関との仕切りを利用した収納のおかげで、きれいに片付きます。デザインを生かす空間です。


階段の踊り場を利用したワークスペース。家族一緒に勉強や仕事が出来る場所です。


田の字型に仕切られた2階の一角は、椋太君の部屋。ベランダからは松の木と、海から吹く潮風が感じられます。

テラスとつながる浴室は、鮮やかなオレンジ色が開放感を演出します。空を見ながら入浴できるお風呂です。

ご主人の希望だった和室。わずか3畳間ですが、多目的に使える有意義な空間です。ここから屋上にも上がれます。

駒田剛司 駒田由香
駒田剛司
1965年   神奈川県生まれ
1989年   東京大学工学部建築学科卒業
1989年〜   香山壽夫建築研究室
1995年〜   東京大学工学系研究科建築学専攻助手
2000年〜   (有)駒田建築設計事務所  共同設立
現在   東京工芸大学 非常勤講師
 
駒田由香
1966年   福岡県生まれ
1989年   九州大学工学部建築学科卒業
1989年〜   東陶機器キッチン開発課
1996年〜   サティスデザイン株式会社
2000年〜   東海大学非常勤講師
現在   中央工学校 非常勤講師
 
受賞
2004年   「伊勢崎の小さな家」で木質建築空間デザインコンテスト住宅部門優秀賞
2005年   「東船橋の家」で第8回あたたかな住空間デザインコンペティション東京ガス賞
2005年   「座間の家」で第37回ストアフロントコンクール住宅部門金賞
 
駒田建築設計事務所
連絡先   〒134-0088 東京都江戸川区西葛西7-29-10 西葛西apartments401
TEL   03-5679-1045
FAX   03-5679-1046
URL   http://www.komada-arch.info
 
私達は建主の要望に出来る限り忠実でありたいと思っています。それは、敷地状況や周辺環境、法規制等々、設計上受け入れなくてはならない事柄と併せて、デザインの跳躍力に変えて行きたいと考えているからです。
1階に天井の高い大きなLDK、2階に2つの寝室と明るい浴室、家族のためのワークコーナーと小さな和室。それに充分な収納。周囲の松の木々を室内からも楽しめること。
石川さんの希望に対する私達の回答は、2階を法規上許される高さまで持ち上げて、その下をワンルームのLDKにすることでした。1階の足下と天井際は4周をガラスにして、上を見れば周囲の松や空が、下を見れば視線が外へ逃げて行くことで、空間の閉塞感を解消します。2階は対照的に落着いた小さなスペースの集まりで、インナーバルコニーに面した浴室は露天風呂として楽しんで頂けるようになっています。
2階のボリュームが鉄骨の斜材で持ち上げられたように見えるユーモラスな外観は、この1、2階の構成を素直に表現した結果で、周囲の風景を活気づけるきっかけになればとも思っています。
 
漠然とセンスの良し悪しをよくいいますが、この建物の家具や照明を見ていますと、まず建主のセンスの良さ、そして設計家との相性。センスを包み込んで表現しているというような気がします。
外から見て何だか気持ちが良さそうな感じがしていましたが、中に入ってみると予想を遥かに超えて良い空間でした。細かいディテールまでデザインし尽くしているなという感じがします。
同年代の設計家とご夫婦の向う方向が一緒という感じが致しました。建物を造る設計のプロセスがどれほど楽しかったか想像がつきます。