2006年7月9日(日)放送
神奈川県横浜市・青山邸
- 木の香あふれる異次元空間 六角形の家 -
2003年8月完成
敷地面積       116平米(35坪)
建築面積         46平米(14坪)
延床面積         92平米(28坪)
木造在来工法
建築費:2600万円    坪単価:90万円



六角形の外観。木の大きな玄関扉、2Fの開口が印象的です。

六角形の一辺をそのまま使った玄関。作業スペースとしても、充分な広さがあります。

建物の中心に位置する六角形の寝室。床と壁は、やわらかく香りが特徴的なサワラ。

寝室の扉の一つは、水回りに通じています。洗面、洗濯スペース、浴室とバリアフリーでつながっています。


寝室のもう一つの扉からは、収納スペースへ。寝室を中心に玄関、水まわりと生活導線を考えた回遊できる間取りになっています。


2Fは、およそ30畳のワンルーム。六角形の形を生かした木の空間。写真家の青山さんは、スタジオとしても使っています。

木で組まれた天井。職人の技が光ります。床材は寝室と同じサワラ。六角形の石を中心に張り合わせています。

開口と対面に位置したキッチン。ここでは、料理教室も開いています。

堀部安嗣
1967年   神奈川県生まれ
1990年   筑波大学芸術専門学群環境デザインコース卒業
    1991年~94年 益子アトリエ
1994年   堀部安嗣建築設計事務所設立
 
堀部安嗣建築設計事務所
連絡先   〒112-0006 文京区小日向4-5-17-601
TEL   03-3942-9080
FAX   03-3942-9087
e-mail   horibe@yf7.so-net.ne.jp
 
東京の郊外に建つ写真家のための家です。ゆっくりとくつろげる家であると同時に、仕事の基地としての機能がしっかりと共存することを求められました。
一連の生活動線を合理化すること、北側の隣家への日照の配慮や北側斜線の制限、また2階においての眺望や日当たり、道路に対する視線などの角度などを考える過程で、六角形の平面がさまざまなことを解決してくれることが見えてきました。
1階は寝室を中心とし、外周のスペースに玄関、物置、水廻りなどを配置し、雑多な生活の営みに素早く対応できることに徹底しました。
それにより2階の広間は郊外のヴィラのようなおおらかな空間になりました。
三角形に残った隣家との大きな隙間からは東西南北に気持ちのよい風が駆け抜けます。
都市の土地条件の中で、現代に要求される機能的な生活と、原初的でおおらかな家のあり方を共存させることができたと思います。
 
青山邸は、とても素敵な建物で、そこにとてもセンスの良い方が住んでいらっしゃいます。
最初は六角形ということでどうなのかと思って訪ねました。                       
建て主を犠牲にして建築家が奇をてらってという建物もあると聞いていますけど、青山邸は、素晴らしい建物ですよね。
1階の両開きの扉を入って、左右どちらからでも行ける巻貝のような動線。
2階は、六角形の隅々まで考えらた空間。                                 
自然に天にも昇る気持ちと言いますか、 素晴らしいですよね。
細かいディテールの積み重ねで大胆にして繊細な建物。何よりも、建築家が建て主のことを考えて命がけで設計したそんな感じが致します。