2006年6月11日(日)放送
神奈川県横浜市・小塚邸
- 新築なのに懐かしい 縁側のある家 -
2005年1月完成
 敷地面積       457平米(138坪)
建築面積       114平米(34坪)
延床面積       159平米(48坪)
木造軸組工法
建築費:3400万円    坪単価:71万円



玄関の引き戸は築130年の以前の家にあった蔵の戸を流用しました。開くと長~い廊下が印象的。

2階建ての母屋と平屋の離れを渡り廊下でつないだ「コ」の字形プラン。中庭は隣に住む両親とも共有できる空間です。

離れの和室は非日常を楽しむ空間です。日常空間である母屋との距離感が絶妙。

和室の所々に以前の家の建具や部材が。ミッドセンチュリーの照明も不思議と調和しています。


丸い大黒柱を中心に据えたリビング。南は中庭、北は里山。“故郷に帰って来た”気分になります。


玄関から一直線の天窓から差す光が美しい影を生んでいます。戸を引き出すと廊下が脱衣室に早変わり。

2階にある寝室と子供部屋は山荘のような雰囲気。

子供部屋上のロフトと2畳敷きのご主人の書斎は隠れ部屋感覚。開放的な家だからこそ欲しい空間です。

梅村雅英
 
1948年   神奈川県藤沢市生まれ
1973年   日本大学理工学部建築学科卒業
    椎名英三建築設計事務所を経て
1982年   梅村雅英建築設計アトリエ設立
 
梅村雅英建築設計アトリエ
連絡先   〒253-0053 
神奈川県茅ケ崎市東海岸北1-7-23
TEL   0467-88-0493
e-mail   ga4m-ummr@asahi-net.or.jp
HP   http://www.asahi-net.or.jp/~ga4m-ummr/
 
隣に住んでいらっしゃるご両親の話の中に、裏山、竹の子、蔵、川、柿の木、などの言葉がよく出てきます。
確かにほんのちょっと前まではこの土地にはのどかな風景が長い時間広がっていたのだろうなー、と感傷的になります。
何世代もここに住まわれたこの土地で、手遅れと思いつつも、何を受け継がなければいけないのか、そんなことを建主の方と考えた家です。
 
裏山の緑を見て暮らせる家です。遠くで子供の声が聞こえます。とても落ち着きます。建物の形状、そして所々に見られる先祖代々が使ってきた建具・部材も懐かしい感覚が呼び覚まされ、とても居心地が良いです。
“故郷”が失われて行く時代です。こういう建物が増えて行くと、街全体が懐かしく愛着のあるものに変わって行くんじゃないか、そんな風に感じます。