2006年5月21日(日)放送
埼玉県幸手市・小林邸
- すべり台・のぼり棒・なわばしご 元気いっぱい子供のお城 -
2005年8月完成
 敷地面積     374平米(113坪)
建築面積      82平米(25坪)
延床面積     127平米(38坪)
木造
建築費:2960万円    坪単価:77万円



外壁はレッドシダー。丸形・三角形に切られた窓が個性を主張します。

コの字形に囲まれたウッドデッキから外階段で上がる屋上。「だるまさんが転んだ」ができる広大なスペース。

5mもの吹き抜けの玄関ホール。学校の先生である施主の教え子たちの写真が飾られています。

広さ23畳・高さ5.5mの広大な空間を持つLDK。内装も木をたっぷり使った


のぼり棒、縄ばしご、すべり台が設置されています。訪れた子供たちは多くが『また来たい』と言うそうです。


アイランド型キッチンは施主のたっての希望で設置されました。大勢で一緒に料理ができます。

書斎には施主の趣味でもあるカメラが丁寧に保管されています。建築家は高校の写真部の同級生です。

間仕切りが無く、完成検査で2階建てのワンルームと認定されたそうです。

上垣内 伸一(うえがいと しんいち)
 
1965年 生まれ
1990年   千葉大学大学院修了。
一級建築士、工学修士。
    ウイプロ一級建築士事務所、團紀彦建築設計事務所を経て、
2000年   一級建築士事務所ファンクアソシエイツ.共同設立、
2004年   (有)ウエガイト建築設計事務所設立。
2000年~   千葉大学工学部デザイン工学科非常勤講師、
2001年~   共栄短期大学住居学科非常勤講師。
    東京建築士会、日本建築家協会会員。
     
(有)ウエガイト建築設計事務所
連絡先   〒111-0051 
東京都台東区蔵前4-13-4 大蔵シャルム203
TEL   03-3861-9218
FAX   03-3861-9220
e-mail   uegaito@uegaito.jp
 
「すべり台、のぼり棒、縄ばしごをつけて欲しい」という建て主からの要望は、《住宅は楽しくなければならない》と常日頃言っている私たちにとっては、滅多にない好条件である一方で、実際に日常空間の中にどう組み込んだらよいのか、とても悩ましい課題でした。取って付けたように見せないで、条件を出した建て主の想像を超えてひとつのまとまった住宅にするには、かなりの検討を要しましたが、努力の甲斐あって(?)とても微笑ましい住宅ができたのではないでしょうか。
建築家に頼むと奇をてらわれて困る、という意見もたまに耳にしますが、今回のような「住宅らしからぬ」具体的な希望があった場合に、住宅という器を柔軟に解釈し、さりげない解決方法を提示することができるのは、やはり建築家しかいないと思います。
 
小林さんのお宅は木造の大らかな建物です。外も中も木の風合いがとても良い味を出しています。落ち着いていて包容力が感じられます。
そして、創意工夫。縄ばしご、のぼり棒、すべり台。アイディアは出ても、それを実行する人はなかなかいないと思います。しかし、それを実現してしまいました。子供たちは大喜びです。そして、それは家族・親類・友人たちが集まるきっかけも与えてくれるでしょう。
人と人とを結びつける、ネットワークを広げて行く建物とも言えるのではないでしょうか。