2006年4月30日(日)放送
東京都小平市・山本邸
- 木製デッキは部屋の一部 木の質感を生かした家 -
2005年5月完成
敷地面積     124平米(38坪)
建築面積       50平米(15坪)
延床面積       99平米(30坪)
木造在来工法
建築費:2500万円    坪単価:83万円



無垢のカナダスギとグレーに塗装したサイディングの組み合わせ。デッキの木組みが美しい表情を見せます。

まくら木、大谷石、ウッドチップなどを使って、コンパクトながらもバランスの良い庭。

大きなガラス開口で玄関からも庭を楽しむことができます。靴収納の上に飾られているのはお子さんの描いた絵です。

将来仕切ることを想定した子供部屋。西側にはウッドデッキもあって申し分なし。


ヒメシャラの木を囲む回廊のような2階デッキ。視覚的にも機能的にも第2のリビングと言っていいでしょう。


ダイニングテーブル一体、全長4メートルのキッチン。クッキングヒーターの前はデッキまで一気に見渡すベストポジション。

和紙畳を敷いた掘りゴタツ式のダイニングはモダンな茶の間。デッキを通して対角線を見渡すと実際の面積以上に広く感じます。

家事コーナー、サービスバルコニー、水回りをキッチンの近くにまとめて動線を短縮。使い勝手抜群です。

大野正博
 
1948年   東京生まれ
1966年   都立墨田工業高校建築科卒業
1971年   DON工房設立
1974年   日本大学芸術学部美術学科卒業
     
趣味・特技 凧揚げ
性格 繊細かつ大胆
     

DON工房一級建築士事務所
連絡先   東京都豊島区西池袋3-33-19~307
TEL   03-3980-6023
FAX   03-3980-6668
URL   http://www.boreas.dti.ne.jp/~dondon
 
 都市住宅の設計では、限られた土地と限られた環境を最大限に活かし、フルに使いこなすことを常にテーマにしています。
 この家では、日照の関係から2階リビングとし、LDKを一体化した「現代の茶の間」をしつらえています。
 茶の間はデッキとつなげて、外に拡大するようにデザインし、デッキの穴から顔を出す地上からの落葉樹を楽しめるつくりになっています。
 
 木の美しさ、良さが随所に表れている建物です。
 外壁は、消防法による規制から一部サイディングを利用していますが、無垢の木とのバランスが絶妙です。
 室内に目を移せば、畳敷きの居間から廊下、階段上、さらに表のデッキスペースまでの大空間を楽しめるようになっています。
 現在5人家族、近いうちに6人になるそうですが、失礼ながら面積から考えると1人1人の個室というのは難しいかも知れません。しかし、日本には用途に合わせて空間を使い分けるという文化があります。山本さんのお宅には、そうした日本家屋の伝統が生きていて、都市住宅の1つの答えになっていると思います。