2006年4月23日(日)放送
東京都新宿区・菊谷邸
- 女優も住める家 タタミ・リビングのある生活 -
2004年12月完成
敷地面積      57平米(17坪)
建築面積       39平米(12坪)
延床面積       79平米(24坪)
木造軸組工法
建築費:2200万円    坪単価:92万円



街並みに溶け込むような落ち着いた外観。 デッキの格子と、玄関扉の木が、アクセントになっています。

階段裏から坪庭を眺めれる設計の玄関。 壁にインドシルクを貼った作り付けの腰掛もお洒落です。

2Fは、LDK。何と言っても、宙に浮いてるかのようなタタミのリビング空間が目を引きます。 テーブルや椅子で生活できるように、丈夫な畳を使用しています。

キッチンはタタミ・バーと命名。 作り付けのカウンターをはさんで、楽しい時間を過ごせます。


2Fの広がりを演出するデッキ。ここは、ご主人お気に入りの場所。リビングとのつながりを大切にした空間です。


3Fは、ご主人の書斎。読書好きなご主人の蔵書が納まっています。階段下とあわせて3000冊が収納。

坪庭を眺められるお風呂。 狭いながらも温泉気分を楽しめます。檜のすのこが、空間のゆとりを演出します。

睡眠には、こだわるという菊谷さん夫婦。 安心して眠れるようにするため、開口を少なく、壁には遮音シートが貼られています。

高野 保光(たかの やすみつ)
 
1956年   栃木県生まれ
1979年   日本大学生産工学部建築工学科卒業
1980年   日本大学生産工学部副手
1984年   日本大学助手生産工学部勤務
1988年   TK DESING OFFICE
1991年   遊空間設計室設立
     
■主な受賞歴■    
2003年   FOREST MORE 木の国日本の家デザインコンペ2003 最優秀賞
2004年   「まちなみ住宅」100選(社)日本建築士会連合会会長賞
2004年   FOREST MORE 木の国日本デザインコンペ2004 優秀賞
2006年   第8回「あたたかな住空間デザイン」コンペティション暮らしデザイン部門 優秀賞

遊空間設計室
連絡先   〒167-0022 東京都杉並区下井草1-23-7
TEL   03-3301-7205
FAX   03-3301-7265
e-mail   info@u-kuukan.co.jp
 
 都心に近い神楽坂の17坪の敷地に、述べ床24坪弱の狭小住宅。
菊谷さんが私に投げかけたテーマは「新しくて懐かしい家づくり」「イスやカウンターキッチンの似合う心地よいタタミルーム」というものでした。
  そこで、思い切ってリビングの中心にタタミ床を配してみました。タタミをできるだけ薄く、軽く見せることでタタミのもつイメージを変え、その段差によりタタミに座るだけでなくタタミに腰掛けるという動きを加えました。

 食べる、本を読む、音楽を聴く、TVを観る、床に座る、寝ころぶ、イスに腰掛ける、多様な生活シーンを楽しむことのできる新しくて懐かしい家の提案です。

 この新感覚のタタミの家は私をおおいに刺激しご夫婦との打ち合わせはとても楽しいものでした。打ち合わせ中もお互いの思いを語るのに夢中になり、要望を伝え忘れて帰宅されるほどでした。「やっぱり、愉しくなくてはいい家はできないんですね」という菊谷さんの言葉が今も耳に心地良く残っています。
 
 菊谷邸は、とても気持ちの良い建物です。
建物は一度建ててしまうと、そこに数十年いるんですね。
 ですから外観は非常に大事だと思うんですが、この辺の街並みは非常に良いですね。
そして建物の内部に入りますと、特に2階スペースですが、どれだけ気持ちよく日々営めるかがテーマになっているわけですね。
 直射日光を遮りながら、間接照明の穏やかな明かり、そしてカウンターキッチンがあって
奥さんが料理の腕をふるわれているということですけれども、
どこのスペースにいても気持ちの良い建物、そんな感じが致します。