2006年4月16日(日)放送
千葉県佐倉市・三幣邸
- 屋上庭園10坪 浮遊する白い空間 -
2005年6月完成
敷地面積      169平米(51坪)
建築面積       81平米(24.5坪)
延床面積        78平米(24坪)
鉄骨造
建築費:2300万円    坪単価:97万円



細い柱と透明ガラスに囲まれた玄関は、その存在を主張せず、軽快感・浮遊感を生んでいます。

2階はワンルームのLDK。L字形に屋上庭園を囲み、大きな開口が一体感を演出します。

屋上庭園から室内を見る。緑と白のコントラストがとても美しい。

2階とは思えない天然芝の庭。ケンタッキーグラスという冬でも枯れない品種です。


リビングから屋上庭園を通してキッチンを見ると、実際の面積以上に広く感じます。


キッチンからも2階全体を見渡せます。家族の一体感もアップしそうです。

真っ白な2階から一転、木の質感がやさしい寝室。高い位置の360°のスリット窓が印象的。

1階と2階の間のスリットから入った光が白いポリカーボネート板を透かして照らします。明るく清潔感のある水回り。

三幣 順一
 
1968年   千葉県生まれ
1995年   日本工業大学大学院工学研究科修士課程建築学専攻修了
1996年   高松伸建築設計事務所
1999年   A.L.X.設立
     
■主な受賞歴■    
2000年   青森県立美術館建築設計競技(入選)
2005年   第12回空間デザインコンペティション作品例部門(銅賞)

A.L.X.(ARCHITECT LABEL Xain)
連絡先   〒160-0023 東京都新宿区西新宿3-5-3-1305
TEL   03-3342-7087
FAX   03-3342-7087
e-mail   sampei@xain.jp
 
 この住宅は、私の弟家族の住まいです。弟が結婚したばかりの頃、家を建てようと思っている・・・・・と相談され、土地探しから協力しました。
 色々苦労して漸く見つけた敷地は、区画整理が終ったばかりの更地で、まるで大きな公園の中に家を建てるような感じだったのを覚えています。建築が浮いている、あるいは敷地に降り立ったように見えるのは、そんな周囲の記憶を残したからです。同様に2階の居間に面して、全面天然芝の大きな庭が有るのも、一日中、見通しの良い公園の中でゆったりと暮らすような、気持ち良さが得られればと思ったからです。
 この住宅から少しでも自由さとか希望とか、そんな雰囲気を感じていただければ幸いですが、それは施主家族の将来への夢や希望を、空間に置き換えたからかも知れません。
 
 20世紀半ば、アメリカ西海岸を中心に展開された“ケース・スタディ・ハウス=新しい住まい方の提案を盛り込んだ核家族のための実験的住宅”を彷彿させるモダンな建物です。
 建築面積は25坪にも満たないのですが、そこに広大な空間が生まれています。室内から芝生の屋上庭園を見ても、屋上庭園から室内を見ても、その開放感は比べるものが無いと言っても良いでしょう。そして、2階が浮いているように見せるスリット窓や透明な玄関など、随所にデザインの面白さ・豊かさがある建物です。