2006年3月11日(土)放送
神奈川県相模原市・原邸
-魅せる収納で広さ演出 靴がインテリア9坪の家-
2005年9月完成
敷地面積       100平米(30坪)  
建築面積         31平米(9坪)
延床面積        73平米(22坪)  
木造
建築費:1882万円    坪単価:85万円



建築面積9坪の原邸。白い塔のような外観。横スリットの窓が印象的です。老後のことを考えて、入り口はスロープになっています。

玄関にはゲタ箱を作る代わりにスリット窓に靴が置かれていました。これは、原さん家族のおしゃれな靴を見て、建築家が考え付いたもの。インテリア兼、収納兼、明り取りです。

1階は階段室を中心にぐるりと回遊できる作り。寝室からも子供部屋に行くことができます。寝室上部の壁は、あえて高さを下げることで安心感を生み出しています。

子供部屋の高い吹き抜け。将来もうひとつ部屋を作ることが可能です。横の庭には家庭菜園。奥さんと近くに住むご主人のお母さんが小松菜を作っています。


限られたスペースを広く見せる工夫の、デッキと天井高。そして家具の高さを抑えて視界をさえぎらない。他にも、抑えた窓から意識を外に向けさせるなど、2階のLDKには、熟練建築家のアイデアが存分に発揮されています。お見事。


キッチン収納もインテリアのように飾ってあります。裏は鏡。こちらも広く見せるための工夫の一つです。ダイニングからは、丹沢の山並みが望めます。

美しいキッチンは、オールステンレス。掃除も簡単。さっとひと拭きするだけで、きれいになるそうです。2つ付いた換気扇も威力を発揮しています。

水まわりは、天井、壁、床と、水に強いFRP。床は滑りにくくするために砂が混ぜてあります。トップライトから光が降り注ぐ浴室。バスタブは今にも歩き出しそうなネコ足です。

古見 演良
 
1955年 東京生まれ
1979年   東京電機大学 工学部 建築学科 卒業
1979年~81年   計画・環境建築 YAS都市研究所
1981年~83年   DEN住宅研究室
1984年   プラステイク 一級建築士事務所
1993年~96年   東京電機大学 非常勤講師
1997年~   東海大学 非常勤講師
     
主な受賞歴    
1998年   建築士会「住宅建築賞」最優秀賞受賞(F-HOUSE 2)
1999年   建築士会「住宅建築賞」連続受賞  (F-HOUSE 3)
    日本建築学会「作品選奨」 受賞(年間建築ベストテン)(F-HOUSE 2)
2001年   和歌山県未来の木の家「きのくにデザインコンペティション」受賞
     
プラステイク 一級建築士事務所
連絡先   〒157-0072 東京都 世田谷区 祖師谷 3-36-21 ビラステラ 205号
TEL   03-3483-5661
FAX   03-3483-5942
E-mail   plastake@mx10.ttcn.ne.jp
 

テーマは、眺めです。 一つは、外の景色。もう一つは、生活の風景。
遠くに山々を望むことのできる敷地環境から、景色を楽しめる家となるよう設計がはじまりました。
外の景色を眺められるように高さをとり、見える景色や採光を考慮しながら窓を決定していくうちに、室内から見た生活の風景も外の景色と同じように楽しめないか、という思いから生活の風景をデザインしています。
例えば、玄関の靴箱、レンジコーナーやシンクカウンター、キッチン収納、生活のものをしまわない、キレイに見せることができれば、使い勝手も良く、コストも抑えられる。
見せる収納(生活の風景)は、ものがキレイに見える素材選びや光の工夫、また隠す収納と使い分けることで、外の景色と生活の風景に意識がいくようにしました。
ハウスサガミハラはシンプルな4角の形、でもそこにはいろいろな仕掛けがありシンプルなのにさまざまな場所がある。楽しくて不思議な家です。

 
原さんのお宅は、モダンデザインの粋を集めたような外観、そして内部空間です。
1階の寝室は、お子さんが自由に遊ぶことのできる、子どもの楽園でもあるんですね。
そして3階は水まわりですけども、ここも大らかにバスタイムを楽しめるということなんですね。
何よりも2階のLDK。LDKと言うイメージを払拭するような、自由空間ですよね。
とてもデザイン性が高く、気持ちのいい空間です。
要するにモダンなデザインスタイルなんだけれども、使い心地がいいという裏付けがある建物なんですね。
建もの探訪を見て建築家を選ばれたと言うことですが、多少はお役に立っているということでしょうか。