2006年1月21日(土)放送
東京都杉並区・本間邸
-なごむ大人の空間 居酒屋ダイニングの家-
2005年6月完成
敷地面積       100平米(30坪)
建築面積        50平米(15坪)
延床面積       100平米(30坪)
混構造(1階RC+2、3階木造)
建築費:2500万円    坪単価:83万円



1階がコンクリート、2・3階は木造の本間邸。周りに配慮して、大胆にセットバックしています。

玄関に入るとすぐにダイニング。まるで居酒屋のような作り。掘りごたつ式。床のタイルは床暖房です。ここで鍋を囲んだり、ご夫婦でワインを飲んだりしているそうです。まさに和む大人の空間ですね。

道路側の壁は、搬入用の窓になっています。中庭を通してリビングも感じられます。中庭はご主人のタバコスペース。

ダイニングとリビングの通路にキッチンが設けられています。ここからも中庭の緑が楽しめます。


タイル張りのリビング。ムートンが暖かそうです。南側には庭もついています。


ご夫婦の寝室はバッドを置かず、布団で寝ているそうです。奥さんの趣味の絵手紙が並んでいました。素敵ですね。

ご主人の念願だったバステラスつきの浴室。イタリア製の浴槽がおしゃれですねえ。最新式のシャワーも付いています。

遊び心いっぱいの踏み違い階段。この上には美人姉妹の部屋。シンメトリーな作りです。

西久保毅人+原由美子
 
西久保毅人
1973年   佐賀県で生まれ、佐賀県で育つ。
1997年   明治大学大学院修士課程修了
象設計集団、アトリエハルに勤務後、
2001年   ニコ設計室を設立。
     
原由美子
1970年   東京都に生まれ、群馬県で育つ。
1994年   東京理科大学卒業
象設計集団、アトリエハルに勤務後、
2004年   ニコ設計室に参加。
     
ニコ設計室
連絡先   〒167-0051
東京都杉並区荻窪3-32-10
TEL   03-3220-9337
FAX   03-3220-9337
E-mail   taketo@dd.iij4u.or.jp
 
もし、「居心地」という人の感覚を、形や勾配で表現する事が出来るなら、明らかに
この家の「居心地勾配」は
玄関脇のダイニングに向かっていて、家の中で、すり鉢の底のような重心をこの場所
が持っています。
コートハウスプランの中心は、図面上ではもちろん庭です。
この住宅においても、庭を中心としていかにスペースを配置するか?という事を平
面、断面の両方からひたす
ら検討を重ねました。ところが、完成すると庭にあったはずの重心は、ダイニングへ
移動し、プラン上の重心
との微妙な「ずれ」が起こりました。
僕は、都市住宅に豊かさを獲得するためのキーワードは、このような「ずれ感」なの
だと考えています。
それは木造とコンクリートの構造体のずれ、鮮やかな色が放つ色気の日常生活とのず
れ、どう見ても大きすぎ
るバスルームの一般解とのずれ・・・・。このような小さな「ずれ達」が、住宅を
「わたしたちの家」に変える
キーワードなのだと僕は考えています。そしてその「ずれ」の根っこは、住まい手の
「ささやかな欲望」である
べきだと、この家を訪れるたびに、僕は確信しています。
 
本間さんのお宅は、ほっとするスペースが出来上がっていますね。
土地の広さが30坪、セットバックしてカースペース、さらに南の広い庭、そしてそこに中庭これは大冒険だと思うんですけれども、このことが、全てのスペースの広がりを感じさせているんですね。
庶民の建物、そこにワンポイント、ツーポイント加えるだけで、とても素晴らしい建物になります。
ここではお風呂、素晴らしいです。
ご主人のくつろぎの場といっていましたが、家族も喜んで、楽しめるということです。
さらに、玄関は言ってすぐの居酒屋スペース。
掘りごたつ、床暖房。
ここで酒酌み交わし、食事もお茶もという大テーブルです。
からだの中からあたたまる、そんな家に感じました。