2006年1月14日(土)放送
世田谷区・新井邸
-世田谷カリスマ主婦の家 オリジナル小物と料理-
2004年8月完成
敷地面積       208平米(63坪)
建築面積       104平米(31坪)
延床面積       204平米(62坪)
鉄筋コンクリート造



コンクリートの堅牢な建物。大胆な開口部が印象的です。

コンクリートの質感を重視したシンプルな玄関です。玄関扉の戸締りは、なんとカンヌキ。住まいのこだわりを感じます。

2階の広さはなんと40畳。キッチンとリビングダイニングを、造り付けの収納でゆるやかにつないでいます。

リビングを彩るのは、アンティークに少し手を加えたオリジナルのインテリア。センスのいい小物がコンクリートの大空間にそれぞれ場所を得ています。


自宅で料理教室を開く奥さんの要望は、巨大な収納。調理台はコンクリートと大理石の組み合わせ。まさにプロ仕様です。


ダイニング・テーブルに広がるのは、奥さんがイメージした新春の世界。まさにおもてなしの空間です。

くつろぎのバスルームは、半屋外空間。いやされます。洗面台もアンティークの小物で飾られていました。

井上 洋介
 
1966年   東京都生まれ
1991年   京都大学工学部建築学科卒業
1991年   坂倉建築研究所
2000年   井上洋介建築研究所 設立
     
受賞歴
2001年   松之山ステージ・自然科学館「森の学校」提案競技 佳作入選(共同設計)
2001年   青森市北国型集合住宅国際設計競技 審査員特別賞受賞(共同設計)
     
井上洋介建築研究所
 
連絡先   〒165-0022 東京都中野区江古田4-16-7-201
TEL   03-5913-3525
FAX   03-5913-3526
E-mail   usun@gol.com
 
新井邸の打合せはそのスタートからしてきわめて刺激的なものでした。
クライアントのこれからつくり上げていく新しい家に対するさまざまなイメージや要望
そして並々ならぬ思いが、スクラップされた写真やその言葉から熱心に伝わり
設計者としてその期待にこたえなければと、強く感じたことを思い出します。
敷地を始めて訪れた時、アプローチにそって植えられていた隣地のシラカシの木々が
とても印象的でした。借景に取り込むべく、広々としたLDKをテラスと連続させ2階に配置し、
訪れた人をトップライトの光に満ちた階段ホールを通って自然に2階に導くよう計画しています。
クライアントはアジアのアンティークが好きでこれまでたくさん買い集めていたため、
建物の仕上げについてはそれらが一番よく映えるようにと、壁はラフな表情のコンクリート、
床は無垢のウオールナット材で仕上げ、他の仕上げもできる限り素材のもつ色や形に加工を加えず
ありのままの素材感、存在感を大切にしています。
竣工後、訪れる度に変化し続ける様子を見守ることができるのは設計者としてなによりの喜びです。
 
新井さんのお宅は、とても落ち着きます。ご主人が外から帰ってくると、どのスペースにいても眠たくなってしまうという気持ちが良く分かります。このリビングダニングの空間ですけども、奥さんが長年集められたものが非常にセンス良く活かされルスペースとなっています。若き建築家とのコラボレーションで、お互いの才能がぶつかり合い、1+1=2じゃないんですね。無限なんです。リビングダイニング、和室、さらに浴室と感動の連続で、素晴らしい建物です。