2005年XマスSP美しきイブの三都物語

2005年12月24日(土)放送
京都・萩野邸
2005年4月完成
敷地面積       73平米(22坪)
建築面積       43平米(13坪)
延床面積      131平米(40坪)
鉄筋コンクリートラーメン構造
建築費:3700万円     坪単価:93万円



景観条例の厳しい京都、そこに建つ和風コンクリート住宅です。家中どこからでも京都御所が眺められる作り。外観も、その御所の門に合わせています。

内とも外ともとれる玄関ホール。和のテイストが感じられます。ユニークなのは、ピザの専用の窓。ピザ大好き一家ならではですね。

3階は手前がダイニングキッチン。中庭の吹き抜けを通して奥にリビング。キッチンに立つとすべてが見渡せます。路地そして京都御所。肩すれ違う路地は自然とあいさつが生まれ、子供たちもそれを真似します。路地っていいですよね。

壁一面窓のリビング。コンクリートにはあらかじめ薄型テレビ用のニッチが作られています。


リビングにはいたるところにクリスマスのの飾りつけ。キャンドルとケーキ、楽しい家族のクリスマスパーティーです。


リビングの上になるロフトには半畳の琉球畳が敷かれています。コンクリートに合いますね。屋上テラスは家族の遊び場です。

田中 豊次 (たなか とよじ)
 
1959年   福井県武生市生まれ
1981年   福井大学建築学科卒業
1990年   イデアワークス一級建築士事務所開設
     
受賞歴
2005年   福井市都市景観賞
    日本建築家協会優秀作品選2005
     
 
イデアワークス一級建築士事務所
 
連絡先   京都市北区小山南大野町22-5
TEL   075-432-4734
E-mail   i-dea@mbox.kyoto-inet.or.jp
 
敷地から東にのびる路地に、京都御所の御門がひっそりとたたずんでいて、この伝統的な情景を建物にとりいれられないかと最初に思いました。 そこで、家のどこからでも、この情景を見渡すことができるように、前面をガラスにして、建物の中央に一坪のガラスで囲われた中庭を作りました。 一坪のガラスのフィルターを通して空から入り込む自然 (太陽、雨、風)が家族にいきいきとした生命力を与えてくれ、さらに、ガラスに映りこむ外部の情景がこの住宅をより魅力的なものにしています。
敷地が、京都市の美観規制地区にはいっているため、伝統的な意匠を、コンクリート打放しと調和させて、モダンでありかつ、和を意識できる建物を作りました。



2005年12月24日(土)放送
神戸・植田邸
2004年12月完成
敷地面積      194平米(59坪)
建築面積       57平米(17坪)
延床面積       88平米(27坪)
木造
建築費:2219万円     坪単価:83万円



神戸の異人館が立ち並ぶ丘の上に建つ黒い家。植田さんのお宅は神戸の中でも一番景色がいい場所にあります。

玄関に入るとまず目に飛び込んでくるこの眺望。素晴らしいですね。洗面の鏡が広さを演出しています。

真っ白い浴室に置かれた置きバス。ここに身を沈めながら見えるのは、深い緑と神戸港。

なんと洗面の鏡はマジックミラー。裏はワインセラーになっていました。その数なんと300本。ソムリエの植田さんは、この部屋だけは絶対に作りたかったそうです。


絶景の2階はLDK。眺望抜群。床は玄昌石。天井はひねりを入れることで広さを演出しています。 


日本三大夜景のひとつ、神戸。その夜景を独り占めにできる空間です。うらやましい限りですね。

ソムリエの前はフランス料理と、イタリア料理のシェフだったという植田さん、パーティーの時は、自ら腕を振るいます。ワインとシャンパン、そして豪華な料理。大人のクリスマスパーティーです。

島田 陽
 
1972年   兵庫県神戸市生まれ
1994年   京都市立芸術大学環境デザイン科卒業
1996年   同大学大学院修了
1997年   タトアーキテクツ/島田陽建築設計事務所設立
     
受賞歴
1994年   第4回ジャパンアートスカラシップ入賞
1996年   日本電気硝子ネオパリエコンペティション入賞
1999年   第1回ELLE DECO大賞
2004年   第1回木質建築空間デザインコンテスト優秀賞
     
タトアーキテクツ/島田陽建築設計事務所
 
連絡先   〒655-0872 神戸市垂水区塩屋町2丁目4-21
TEL&FAX   078-755-0520
E-mail   daaas@e.email.ne.jp
 
「反射を繰り返して家の中に引き入れられる風景」

敷地は有名な観光地である異人館の隣に位置し、緑と眺望に恵まれた安定した環境にあります。

予算や法規、周辺環境との調和を考えて注意ぶかく建物を配置した結果、とても小さな建物になりましたが、黒く塗った板壁とすることで建物のボリュームが大きいのか小さいのか分かりにくくなるように考えました。

内部では各部に反射性の高い材料を使うことにより、周囲の素晴らしい光景を反射させて家の中に引き入れ、屋根の稜線を振ることで建物の輪郭を崩して部屋のボリュームを測れないようにしています。

ソムリエであるクライアントが、友人達と楽しく過ごされる時間をイメージしてこの建物を設計しました。




2005年12月24日(土)放送
大阪・久保邸
2004年10月完成
敷地面積       327平米(99坪)
建築面積       162平米(49坪)
延床面積       209平米(63坪)
鉄筋コンクリート造
建築費:6212万円    坪単価:98万円



真っ白い箱のような外観。周辺に配慮して、大胆にセットバックしています。

玄関を入ると長いアプローチ。その先に坪庭。振り返るとまた長い廊下。この先はどうなっているんだろうと期待が膨らみますね。

長いアプローチの先にたどり着いた大空間。四角に切り取られた芝の庭。絶妙なバランスです。暖炉の炎が優しくこの大空間を暖めています。

家中すべて間接照明。ダイニングテーブルの上にひとつだけ小さなダウンライトがついています。久保さんの奥さんはケーキ作りが趣味。子供たちも手伝った手作りケーキでイブを祝います。


キッチンはダイニングの横。すべてを隠すように作ってもらったそうです。ここからは庭で遊ぶ子供たちも見えます。


子供部屋は将来間仕切りできるようになっていますが、現在は大空間。おもちゃでいっぱいです。横には家族のワークスペース。子供のギャラリーになっていました。

坂本 昭
 
1951年   福岡県生まれ
    近畿建築構造研究所を経て
1982年   坂本昭・設計工房CASA設立
現在   近畿大学理工学部建築学科非常勤講師
    関西大学工学部建築学科非常勤講師
    京都府立大学環境デザイン学科非常勤講師
    大阪工業大学大学院建築学科非常勤講師
     
受賞歴
1995年   Nashop Lighting Award ’95 最優秀賞
第2回 家づくり賞
第21回 hiroba作品賞
1996年   Nashop Lighting Award ’96 優秀賞
1997年   第43回 大阪建築コンクール 大阪府知事賞
日本建築家協会新人賞
第12回 日本建築士連合会奨励賞
第3回 健康な住まいコンテスト’97 優秀賞
1999年   第10回 みどりの景観賞(大阪施設緑化賞)奨励賞
2001年   日本建築学会作品選奨
第47回 大阪建築コンクール第1部門大阪府知事賞
第47回 大阪建築コンクール第2部門大阪府知事賞
第6回 関西建築家大賞
第16回 日本建築士会連合会賞(作品賞)優秀賞
2003年   日本建築学会作品選奨
高岡市都市美景観賞 最優秀賞
Nashop Lighting Award ’03 優秀賞
2004年   松下電工主催 すまいの明かりコンテスト’04 優秀賞
     
 
坂本昭・設計工房CASA
 
■大阪アトリエ
連絡先   〒550-0015 大阪府大阪市西区南堀江1-14-5
TEL   06-6537-1145
FAX   06-6537-1146
 
■東京アトリエ
連絡先   〒108-0075 東京都港区港南3-6-21-209
TEL   03-3474-1146
FAX   03-3474-1146
E-mail   casa@akirasakamoto.com
 
敷地は閑静な住宅地に位置し、3方が住宅に囲まれている。プライバシーを確保しつつ、自然を感じ、家族とふれあう住まいを築くため、南面に中庭空間を配し、それを囲む形で各空間を設けている。中庭で遊ぶ子供達の様子はリビングの吹抜けを介し、家全体へと伝わってゆく。空間は回遊的につながり、歩くごとにその表情をかえ、中庭の自然を介しながら各空間が一体となる。いくつもの部屋が適度なプライバシーを確保しながら緩やかに結びついている。
白くシンプルな空間は凛とした空気を放ち、心身を引きしめてくれる。一方で、無駄なものをそぎ落とした白い世界は、家族の背景となり自然の背景となりながら、優しくすべてを包み込んでくれる。凛々しさとふくよかさが共存し、ゆったりと全体がつながり合う住まいは生活に豊かさをもたらしてくれる。